安全保障関連法が29日に施行された。日本が集団的自衛権を行使できるようになったことで、中国ではこれまで以上に日本に対して警戒すべきとの論調が高まっている。中国メディアの人民網はこのほど、香港メディアの報道を引用し、「中国はまだ戦争の準備はできていない」と主張し、むしろ中国は日本の軍需工業から学ばなければならない点があると論じている。

 記事は米国艦隊が南シナ海で警戒監視活動を展開したことに言及、「中国にとって大きな脅威」だと指摘したうえで、米国艦隊の活動は中国にとって「狼が来た」という嘘で済まされるものではなく、実際に狼が来て自分の家の玄関口で吠えている状態だと説明。武器を持たない少年と狼とでは、その力に圧倒的な差があるが、この関係は現在の中国と米国の軍事力に当てはまるという見方を示している。

 南シナ海に派遣された米国艦隊を中国艦隊が一時包囲するという出来事が生じたが、それでも記事は「中国はまだ戦争の準備ができていない」と主張。その根拠として記事は中国の戦闘機のエンジンが国産技術によるものでないことを事例として取り上げ、中国の軍事工業はいまだ他国に依存している状態であるためだと論じた。もし他国が中国へのエンジン提供をやめれば、中国は制空権を取る重要な手段を失ってしまうと警戒している。

 さらに記事は全国人民政治協商会議のある委員が「中国政府は軍事力を強化するために日本の軍需工業から学ぶべきだ」と中国政府に呼びかけたと紹介。全国人民政治協商会議は一般的に中国政府の諮問機関と言われている。全国人民政治協商会議の同委員は、日本は第二次世界大戦終了時に軍需工業は崩壊したが、それでも日本には優秀な民間企業が育ち、これらの企業は自衛隊のために必要な製品を研究開発する優れた能力を有していると指摘している。

 中国の兵器開発は国営企業によるものであり、民間企業の潜在能力を活用していない状態であるとし、中国が日本に見倣い、民間企業の潜在能力を引き出し、それを活用するよう努力するなら、今後10年間で優秀な民間企業が必ず生まれると分析している。記事は「中国はまだ戦争の準備はできていない」と主張しているが、中国は優秀な民間企業が生まれ、準備が整えば戦争を行うつもりなのだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)