米欧が数十年前に日本に提供した331キロの研究用プルトニウムを積んだ輸送船が22日、茨城県東海村の東海港を出発し米国に向かった。中国メディアの網易はこのほど、プルトニウム返還を要求した米国の意図について説明、一部メディアが報道している「日本による核兵器製造を防ぐ」という目的は決してないと論じている。(イメージ写真提供:123RF)

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 米欧が数十年前に日本に提供した331キロの研究用プルトニウムを積んだ輸送船が22日、茨城県東海村の東海港を出発し米国に向かった。中国メディアの網易はこのほど、プルトニウム返還を要求した米国の意図について説明、一部メディアが報道している「日本による核兵器製造を防ぐ」という目的は決してないと論じている。

 ある分析によれば331キロのプルトニウムは核弾頭50発分に相当、しかしこの他に日本は約47トンものプルトニウムを保有している。記事は一部のメディアにおいて「米国の返還要求には日本による核兵器製造を防ぐ意図がある」という論調があると指摘、しかし事実に照らせばそれは間違った分析だと主張した。

 続けて、日本が大量にプルトニウムを保有していた理由について説明。米国は使用済み核燃料を直接廃棄する「ワンススルー方式」を採用しているが、日本は使用済み核燃料をリサイクルする方式を採用している。使用済み核燃料を再処理してMOX燃料に成形し再び軽水炉で使用する方法を「プルサーマル」と呼ぶ。日本は欧米が断念した高速増殖炉の研究開発を今でも続けているが、高速増殖炉はプルサーマルよりもはるかに効率よく使用済み核燃料に含まれるプルトニウムを利用することができる。

 資源の少ない日本にとって核燃料をリサイクルすることは非常に重要だが、こうした政策があるために日本は大量のプルトニウムを保有していると記事は指摘、決して核兵器の製造を意図したものではないと論じた。

 また記事は日本には非核三原則の方針や国民の「核アレルギー」が存在しており、日本で核兵器が製造されるのはほぼ不可能だと指摘。記事はこの2つの要因が非常に強力な抑制力として働いていることを強調している。

 例えば非核三原則の実効性について記事は、朝鮮戦争の際に米国が沖縄に核弾頭搭載可能なミサイルを配備しようとしたとき、当時の鳩山一郎首相が非核三原則の精神からそれを断固として許さなかったことに言及。また日本人の核アレルギーは広島、長崎、第五福竜丸の被爆という強烈な自己体験に起因していることも記事は指摘している。

 また米国自身が懸念しているのはテロリストに核燃料を悪用されることであり、日本による核兵器製造を防ぐ意図はないと記事は説明。ただし日本に核兵器製造の意図がないとしてもテロリストに悪用される可能性は十分にあることを強調している。もし保有する大量のプルトニウムの一部がテロリストに盗難されるなら、それは日本が核兵器を製造するよりはるかに深刻な脅威となることは明白だ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)