Windows 10の次期大型更新は「アニバーサリーアップデート」、この夏に無料提供

写真拡大

本日より開幕した開発者カンファレンス Build 2016で、マイクロソフトがWindows 10の大型アップデートを正式発表しました。次の大型アップデートは「Windows 10 Anniversary Update」の名称で、Windows 10のリリースから一周年にあたるこの夏に提供される予定です。

対象はデスクトップ / ノート / タブレットPCのほか、Windows 10 Mobileスマートフォン、Raspberry PiなどWindows 10 IoTデバイス、Xbox One、さらに本日から出荷が始まった透過メガネ型の「ホログラフィック・コンピュータ」ことHoloLens。いずれも無償でアップデートが提供されます。


Windows 10の次期大型更新は、これまで開発コードネームの「Redstone」(Redstone 1)で知られてきました。提供時期については諸説ありましたが、7月にはWindows 10がリリース一周年を迎えるため、外向きには「アニバーサリーアップデート」という呼び方を採用したようです。

主な更新点として明かされたのは、

1. 生体認証機能 Windows Hello のサードパーティ提供

指紋センサや赤外線カメラなどを使った生体認証の Windows Hello がサードパーティー開発者のアプリおよび新ブラウザ Microsoft Edgeでも利用できるように。ウェブサイト側が導入することで、EdgeならばWindowsデバイスのセンサを使って認証が可能になる。

2. 手書き入力 Windows Ink のサードパーティーアプリ提供

ペンや指での手書き・手描きをサポートするWindows Ink機能が、サードパーティーアプリにも容易に組み込み可能に。

3. コルタナの強化

日本では「コルタナさん」と呼べば答えてくれるパーソナルデジタルアシスタント Cortana を強化。PCがロック状態でも一般的なタスク実行、サードパーティーアプリとの統合強化、Google Now的な行動予測・文脈認識に基づくアドバイス提供など。(たとえば出勤時刻や移動開始を察知して交通情報や天気を伝えたり、サードパーティーアプリでのナビゲーションやライドシェアリングを提案するなど)

4. Xbox One の UWPアプリ(Windows ストアアプリ)対応。すべてのXbox Oneが開発キットへ

Xbox One にも Windows 10 アニバーサリーアップデートを提供。内容はコルタナの導入(操作やストアでの検索や提案、攻略ヘルプなど)、Windowsストアアプリ(デバイス問わずに動く新フレームワークUniversal Windows Platform、UWP 対応アプリ)対応、PCやモバイルと統一のアプリストア提供、Xbox One の「開発者モード」ですべてのXbox One が開発者キット化など。

また、前世代・前々世代では対応していたのにXbox Oneでは使えなくなり不評だったバックグラウンド音楽再生も、アニバーサリーアップデートでようやく提供されます。

このほか開発者サポートとしては、Unix / Linux のコマンドラインシェル Bash が Windows 10でもネイティブ動作することが発表されました。

夏のアニバーサリーアップデートに向けて、開発者向けには本日よりWindows Anniversary SDK プレビューが提供されます。また、Windows 10の正式リリース後も常設企画として継続中の Insider Program に参加すれば、夏より前にアニバーサリーアップデートの内容をテストできます。(もちろん開発者や管理者、ヘビーユーザー向けです)。