突然の通夜や葬儀。そんなときのために押さえておきたい弔事のマナー

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突然届くお悔みのお知らせ。通夜や葬儀は、宗教によってさまざまな決まりやしきたりがあるので、あたふたしてしまうことも…。「恥ずかしい思いをすることがないように、普段から基本のマナーはおさえておきましょう」と、マナーデザイナーの岩下宣子さん。

マナー違反がいちばん目立ってしまうのは“装い”とか。特に、葬儀と通夜では、装いのマナーが異なることを認識していない人が少なくない。

「通夜は急なので、ネイビーやグレーなどダークカラーのスーツでも大丈夫ですが、葬儀に出席する場合には黒無地のアンサンブルやワンピースなど、いわゆる分かりやすい“喪服”を身に付ける必要があります」(同)

サテンやベロアなどの光沢素材や胸元が大きく空いているデザインは、場にはふさわしくないと心得て。アクセサリーを付けるのなら、パール、ブラックパール、オニキスを。それ以外のものしかないのなら付けないようにして。また、二連のネックレスは“不幸が二度重なる”という意味を持つので避けて。また数珠は持っていくのがベターなので、あらかじめ用意しておこう。

「ストッキングは、喪服でも黒または肌色でOK。黒でも網タイツやタイツは避けます。また、パンプスやバッグは、光沢のない素材を選びましょう。いずれもカジュアルに見えてしまうので柄ものは避けて、無地を身に付けてください」(同)

葬儀や通夜に付き物の香典だけれど、金額で迷ってしまう人も少なくないはず。30代以上で参列をするのなら、故人が仕事の関係者やその家族、友人やその家族である場合は3000〜5000円程度、親戚であれば1万円を。仏式の場合は御霊前と書かれた不祝儀袋を袱紗に包んで持っていこう。そのほかの宗派の場合はお供料にすればOK。また、あまり豪華な不祝儀袋だと、お金がたくさん入っているのではと、相手に期待させてしまうので普通の結び切りを選ぶと安心。

「もし当日に参列できない場合は、間に合うように電報を打って、後から、弔問するかお手紙に香典を添えて郵送しましょう。供物や供花は、葬儀社に問い合わせをしてから持っていくようにして」(同)

それでは、焼香の一般的なやり方を押さえておこう。
◆仏式の焼香の仕方

1 順番がきたら焼香台に進み、遺族と僧侶に一礼する。
2 祭壇一歩手前まで進み出て、遺影に一礼。
3 祭壇前で合掌した後、抹香を右手の親指と人差し指、中指の3本で抹香をつまんで、目の高さまで持ち上げる。
4 抹香を香炉に静かに落とす。これを1〜3回繰り返す。回数はその宗派のやり方に合わせるか、わからなければ一回にする。
5 最後に合掌をしてから、一歩下がり、遺影に一礼する。
6 僧侶と遺族に一礼して終了。

「抹香かお線香は、どちらかが用意されているので、現場でそれに従うようにしましょう」(同)

故人と親しく、遺族から連絡が入ったらすぐに駆け付けよう。そのとき、あわてずに故人ときちんと最後のお別れができるように、これだけは最低限覚えておいて。

岩下宣子
マナーデザイナー。現代礼法研究所主宰。共立女子短期大学卒業。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流の小笠原清信氏のもとでマナーを学ぶ。1985年、現代礼法研究所を設立、主宰となる。マナーデザイナーとして、多数の企業や団体でマナー講座、指導、研修、講演などを行う。著書は『きちんと知っておきたい 大人の冠婚葬祭マナー新事典』(朝日新聞出版)、『図解 マナー以前の社会人常識』(講談社+α文庫)、『図解 社会人の基本 マナー大全』(講談社の実用BOOK)ほか多数。