宇佐美貴史(撮影:佐野美樹/PICSPORT)

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29日のシリア戦で日本は見事勝利を収め、ロシアワールドカップ・アジア2次予選を無敗・無失点で抜けました。日本の最終戦はグループ2位のシリアでしたが、寄せ付けもせず5-0の大勝です――。

と書くと、ものすごく素晴らしい結果を日本は出しているように思えます。ですが、こんなときこそ僕は冷静に考えなければいけないと思っています。

シリアの情勢を考えるとき、彼らは実力をちゃんと出せただろうか。もしそうだったとしても、ワールドカップ本大会で対戦する相手に、シリアと同程度の実力のチームがあるだろうか。

シリアの人には失礼になってしまうかもしれませんが、日本には勝って当然の相手でした。そのチームに勝ったからといって、本大会での活躍が約束されるのかというと、決してそうではありません。

きっとみんな香川真司のゴールを絶賛するでしょう。本田圭佑のワールドカップ予選出場試合連続ゴールが6試合になったのも称賛されると思います。

だけどよく考えてみると、もし前半のうちに香川や本田がゴールを決めてくれれば、もっと楽に戦えた相手です。後半、帳尻を合わせたようにゴールを取ったからと言って、決して手放しで褒められるとは思いません。

特に香川は得点した後、生き返ったようにプレーしていましたが、本来なら90分間「違い」を見せつけられるプレーヤーでいなければいけないのです。

宇佐美貴史は、岡崎慎司は、なぜ得点を獲れなかったのか。長谷部誠と山口蛍はどうしてシュートを打っていないのか。そんなことをいろいろ追求していくと、御祭騒ぎで見ていられた試合ではなかったのです。

僕がこの試合でよかったと思ったのはただ一人。西川周作でした。ですが、GKがそこまで目立ったというのは、守備が安定しなかったということです。

次はいよいよ本大会出場をかけた3次予選です。成長のピッチを上げないと、これでは厳しい。きっと選手はわかっていることでしょう。試合後のコメントに反省が多かったのを聞いて、少しだけ安心しました。