写真提供:マイナビニュース

写真拡大

NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は3月30日、Deep Learning(深層学習)などを含む人工知能(AI)技術を活用し、不審者の動作検出や複数カメラに映る同一人物の推定などを実証する実験を綜合警備保障(ALSOK)と連携して、2015年12月〜2016年1月に実施し、高い精度での検出に成功したと発表した。

近年、オフィス商業ビルをはじめとした都市空間や大規模イベント会場等、不特定多数の人が集まる環境下では、施設・空間におけるインシデント(事故)発生時の対処・被害拡大防止に加え、犯罪等の予兆検知・未然防止の必要性が高まってきている。

また、昨今の国際情勢を受け、比較的警備が厳重でないソフトターゲットにおけるテロなどへの脅威に対し、警戒・警備の強化が求められている。こうした状況を踏まえ、NTT Comは新たにAIを活用した動作検知技術や再照合技術を取り入れることで、不審者の検出や人物特徴に基づく画像検索精度を向上させ、ALSOKなどとともに警備品質の向上を目指すとしている。

NTT Comは、ALSOKとの共同実証実験において、再照合技術と時系列Deep Learning技術の2つの技術について高い精度での検知を実現したという。再照合技術は、Preferred Networksの協力を得て、1枚の画像から特定人物の特徴をAIの利用により抽出。複数のカメラをまたいだ映像から同一人物の候補を推定し、提示する。ALSOKとの共同検証では、ある人物がエスカレーターを使って複数のフロアを移動した映像から、同一人物の候補を100%の確率で抽出することに成功している。

また、時系列Deep Learning技術は映像データの解析により、人の動作を高精度に識別できる技術。あらかじめ検知したい「きょろきょろする」「荷物を置く」などの動作をAIに学習させておき、映像データからそれらの動作を自動検知。

ユースケースの例として再照合技術は、何らかの犯罪行為が発生した際に不審人物の画像をもとに施設間/施設内のカメラを跨いで同一人物の行動を追跡することを可能とするほか、時系列Deep Learning技術では商業施設などにおいて、該当の動作を行う人物を自動検知し、警備員に発報することができるという。

今後、両社では大型のオフィス商業ビル、大規模イベント、空港・税関をはじめとした重要施設、公共交通機関や大規模集客施設などのそれぞれのユースケースに応じ、NTT ComはALSOKとともに2016年度も引き続き実証実験を通じて有用性を確認し、導入を進めていく。

NTT Comは映像データの解析を可能とする「映像解析プラットフォームサービス(仮称)」の提供を検討している。店舗や製造工場における不審行動の検出、2020年に向けて観光客の増加が見込まれる多くの施設で防犯対策などに応用できるサービス開発を今後も進めていく考えだ。

(岩井 健太)