毎週火曜日の深夜1:26〜1:56放送の「フリースタイルダンジョン」(テレビ朝日)第26回目。
フリースタイルラップのバトル番組だ。
「いま最大に凄い番組だ」と話題沸騰中なので「誰かエキレビ!に書きなよ」と編集長が叱咤するがまったくHIPHOP文化に詳しくないので書けない。とみな尻込みして逃げていたけど、いや、いいや、己が面白いと思う視点で書けばいいよと開き直って書くよ今回から。
なので、HIPHOPスタイルには詳しくないので、間違いアンド追記等あったら、ツイート等で教えてくださいプリーズ。


で!
「フリースタイルダンジョン」は、
モンスタールームから召喚されるスゴ腕ラッパーとチャレンジャーがタイマン勝負、5人勝ち抜けば100万円獲得というスタイルで進行。
8小節のビートにのせて即興ラップ(フリースタイル)をかますのだが、ここで繰り出される言葉の数々が、かっこいい&おもしろい。
即興で、韻を踏みながら、状況に応じた強烈なフレーズ(パンチライン)を吐き出す。
超高度な悪口合戦としても見れるし、自由に連鎖させるカッコいい大喜利としても楽しめる。
その場で、この場の状況を汲み取りながら、言葉を操って、人を感動させるという意味で、俳句、歌会、連句といった流れにある「座の文芸」でもある。

というわけで、「わー、こんな凄いフレーズを即興で繰り出してるのか!」と驚くような韻を踏んだところを中心に紹介していきたい。

「フリースタイルダンジョン」REC6-4のチャレンジャーはCIMA(シーマ)。
サイプレス上野を打ち破り、2人目のモンスター漢a.k.a.GAMIとの対決からスタート。
「全員ぶっ殺したいんで、殺ってやろうって気持ちですね」とコメントしていて、怖ぇーと思うが、
いきなりかますのが、「今の俺なら勝てるヘボクソのライム 下克上のパントマイム」。
「ヘボクソのライム」と「下克上のパントマイム」で韻(ライム)を踏む。

「韻を踏む」というのは、基本、母音をあわせる行為。
「ヘボクソのライム」の母音は「えおうおおあいう」で、「下克上のパントマイム」も「えおうおおあ(おあ)いう」とシンクロ。
「パントマイム」のところは、「ント(あお)」が余分だけど、パ、マイムとアクセントの持ち方ですっと流し、見事に口が気持ちいいフレーズと化した。

漢a.k.a.GAMIは、頭に間を取って、あえてビートに乗らずふつーな口調でしゃべりはじめて度肝を抜いたり、「仲良しもしくは中指 紙一重」と強烈なフレーズかます。
判定は、チャレンジャー3、モンスター2でROUND2にもつれこむ。
包帯を巻いた自分の状態を入れ込んだ漢a.k.a.GAMIに、「巻いたぜ包帯ライムは場外」そして「life goes アーイ」とCIMA見事に返すも、チャレンジャー2モンスター3で漢a.k.a.GAMI勝利。
これで1対1。

【今週の最強韻】「相撲取り、不法所持」
ROUOND3、漢a.k.a.GAMIが「右脳左脳解放した会場」と吐き出し、それを受けてのCIMAのフレーズ。
「発表してもはっけよいのこった相撲取り
俺はヤバすぎるスキル不法所持
フロウと韻詰めるぜ舐めるな兵庫の不動のC」
相撲取り(うおうおい)に、不法所持(うおうおい)がシンクロ、さらに不動のC(うおうおい)もシンクロ。
不動のCってなんじゃいって思わせといて、この後、CIMAのCだと判る歌詞展開に雪崩れ込む。

勝ち抜いたCIMAの前に現れるのは、T-PABLOW。
「お前のラップも顔もスキルもむちゃ変やん」とディスるCIMA。
「むちゃ変やん」は、ラップで頻出するフレーズ「Put your hands up」にも聞こえて気持ちいい。
T-PABLOWもめちゃかっこよかったが、CIMAが勝利する。

【今週の最高カッコいいシーン】
独断で選ぶ、最高にカッコよかったシーンはこれ。
ゲストライブがまさかのいとうせいこう
「30年前からやってるぜ!」と会場を沸かしての名曲「ヒップホップの経年変化」
日本語ラップのパイオニアのひとり、55歳のラップかっこいいいい。
「生きてるやつは騒げ! 見たかオールドスクール!」
Real Fish:桑田佳祐+いとうせいこう「ジャンクビート東京」も傑作なので要チェック。
植物をテーマにしたラップ「Botanical ~ NHK BS プレミアム 「植物男子ベランダー」 presents 「MC 植物」」も出た(歌いあげる「S.O.B.Aを打つよ feat.スベトラナK」に感動するぞ)。(米光一成 イラスト/小西りえこ)