【インタビュー】板野友美 映画初主演「はまり役だよねって言ってもらえる役柄を見つけたい」
目が合った人間を恐怖のどん底に突き落とす怪異「のぞきめ」。ある青年の怪死事件を偶然取材したテレビ局のAD彩乃は、その真相を探るうちに「のぞきめ」の伝承に行き着く…。三津田信三の同名ホラー小説をもとにした映画「のぞきめ」が4月2日に公開される。彩乃を演じたのは、本作で映画初主演を果たす板野友美さん。女優業に対する思いや意外なプライベートを語ってくれました。


『私はホラー映画が苦手で…。試写で観た時も結構怖かったです(笑)』




――初の主演映画ですが、完成した作品をご覧になった感想は?

板野:私はホラー映画が苦手で、もともとあまり観たことがなくて。なので、試写で観た時も結構怖かったんです(笑)。

――台本を読む時も怖いなって怯えながら…?

板野:お話をいただいた時も、「私、ホラー映画観られないんですよね」って(笑)。台本をいただく前に、まずはどういう流れかだけ書かれたプロットをもらったんですけれども、それすらも、家で一人で読むのが怖くて、昼間まわりに人がいる時に読んだりしていました。自分が主演で務まるのかもすごく不安でした。



――叫び声が、お腹の底からの「きゃーっ!」でしたよね。あれには何かこだわりや監督の演出があったのですか?

板野:お化けって見たことがないので、想像するしかないじゃないですか。ただ女の子が「きゃーっ」ていう黄色い声ではないし、絶叫マシンに乗った時みたいな楽しい「きゃーっ」でもないし。“ホントにお化けを見てしまった時ってどうなるんだろう?”ってイメージしながら演技しました。監督からは「もう1回やってみて」って何回も言われて。たぶん、いろんなパターンの「きゃーっ!」の中から、あれが抜擢されたんだと思います。


『呪われそうな場所…私だったら絶対行かないです(笑)』




――彩乃は新米ADとして裏方で働いている女性。表舞台に立つことが仕事の板野さんとは全然違う職業ですが、役作りはどうしましたか?

板野:アーティスト活動をする時は、パフォーマンスも曲にあわせたものだったり、自分の意見をもとにすることが多いんですけど、演技のお仕事はまわりのみんなの意見を参考にさせてもらったり、「ADさんってどんな服を着てるんだろう?」「どんな髪型なんだろう?」って、そういう部分を考えるところから始めました。それが私にとっては初めての経験でしたね。

――自分がどう見せたいか、ではないですものね。

板野:そうですね。アーティスト活動では、「自分」がどう表現したいのか、この曲だったら「自分」をこう見せたいとか考えることが多いんですけど、演技の仕事は、みんなで作り上げていくものなんだなって思いました。



――彩乃は仕事でもないのに、「のぞきめ」の謎を追って、いわく付きの村・侶磊(ともらい)村まで出かけますよね。あの好奇心は理解できますか?

板野:私だったら絶対行かないです(笑)! 絶対に呪われそうな所に行って、しかも彼氏が先に呪われてしまう…。彩乃は、自分が連れて行った責任を感じて、彼を守るために最後は闘ったんだと思いますが、そもそも行かなきゃよかったんじゃ…?っていうことですよね(笑)。

――彩乃は仕事に不満を持っていて、ピンチヒッターで取材した事件に熱中してしまったんでしょうね。

板野:私自身は自分がやりたいことを仕事にできているけど、彩乃はたぶんADの仕事に戸惑いがあって。それで、突然まわってきた仕事にすごく生きがいを感じたんだと思います。それがたまたま呪われた事件だったんですが…。


『「すごいはまり役だよね」って言ってもらえる役柄を見つけたい』




――板野さん自身は、お仕事にどんなやりがいを感じていますか?

板野:アーティスト活動はAKB48に入る前からの夢だったので、すべてにやりがいを感じています。演技のお仕事を本格的にやるのはまだ今回が初めてで、本当に体当たりで挑戦させてもらったんですけど、ひとつの作品を作るってすごくステキなことだなと思いました。

――新しい発見も多かったですか?

板野:アーティストとして歌っている時は、表現ごとの映り方を把握してるんですけど、演技をしてる時は無我夢中で、「これで合ってるのかな?」って思いながらぶつかっていった感じでした。完成した作品を観ると、想像していたとおりに映っているのもあれば、「こういう時はもうちょっと小声でしゃべってもダイナミックに聞こえるんだな」とか初めて気づいたこともありましたね。「のぞきめ」のあとには中国映画でラブストーリーの主演をやらせていただいたんですけど、ラブストーリーだとまた全然違うし、すごく奥が深いなって思いました。



――女優の面白さに気づいたんですね。

板野:そうですね。アーティスト活動だと、あまりイメージが変わることってないじゃないですか。「板野友美」っていうと大体のイメージがあると思うし、それを曲ごとに変えることってあんまりないと思う。だけど、女優のお仕事って、役柄によって新たな発見ができるから、アーティスト・板野友美もやりつつ、女優業で今まで見せてこなかった私を見せていけたらいいなと思います。

―目指す女優像のイメージはありますか?

板野:こういう人になりたい!っていうのはないんですけど、私のイメージにはない役ができたらいいなと思っています。いずれは、「すごいはまり役だよね」って言ってもらえる役柄を見つけられたらいいな。AKBにいた時はヤンキー役とかが多かったので(笑)、そういう強い女性の役もいいけど、彩乃ちゃんみたいな素朴な役とか、もうちょっとブリッコしてる役とか、いろんな役をやってみたいです。


『最近は焼き鳥にはまっていて、よく食べに行きます(笑)』




―最後に、Peachyは「ゴキゲン」「ハッピー」という意味なのですが、板野さんは何をしている時が一番ハッピーですか?

板野:なんだろ…食べてる時がすごいハッピーですね(笑)。

―最近はまっている食べ物はありますか?

板野:最近、焼き鳥にはまっていて、よく食べに行きます。

―美容にいい食べ物なんかも気にしますか?

板野:あんまり気にしてないですね。ジムとかにも行ってないですし。前はダンスをしてたから結構痩せてたんですけど、最近はやっていないので太ってしょうがなくって(笑)。

―全然そんなことないですよ!

板野:いえいえ(笑)。それを気にしてて、私、麺類がすごく好きで夜でも食べちゃうんですけど、焼き鳥だったら炭水化物も入ってなくていいかなと思って(笑)。私の好きな焼き鳥屋さんに豚足の焼いたのがあるんですが、それが美味しいんです。豚足ってゆでてあるのが多いので、焼き豚足ってあまりないんですよ。

―お酒も一緒に楽しむんですか?

板野:お酒は飲まないです。お酒を飲むとご飯が食べられなくなるので(笑)。あとはまっているものといえば…音楽もすごく好きです。家ではテレビをつけるより、ずっと音楽を聴いてますね。最近はサム・スミスや、ジャスティン・ビーバーの新しいアルバムを聴いてます。



『のぞきめ』は4月2(土)ロードショー。
公式サイト:http://nozokime.jp/

ヘアメイク :宮本由梨(roraima)
スタイリング:MANA KOGISO

撮影:倉橋マキ
取材・文:新田理恵
制作・編集:iD inc.