「碧志摩メグ」新作ポスター「浜島ビン玉ロード」篇

2016年3月28日、三重県の志摩市観光協会で「碧志摩(あおしま)メグ」新作ポスターの無料配布が始まった。

「碧志摩メグ」をめぐっては、市の公認キャラクターとして登場したものの、一部から「女性蔑視」との批判があり、昨年11月、同市公認を撤回する事態となったことは記憶に新しい。

ポスターはA2判の2種類で、各1000枚が配布される。Jタウンネット編集部は志摩市観光協会に電話し、話を聞いてみた。

若い世代に、海女文化に関心をもってもらいたい


「碧志摩メグ」新作ポスター「伊勢海老賢島」篇

電話口で話してくれたのは、同協会の西崎巳喜専務理事だ。

「世の中にはもっと過激なキャラもあるのに、なぜ碧志摩メグが批判を受けたのでしょうか?」と西崎さんは首をかしげる。「理事会では女性蔑視には当たらないと判断しました」と語る。

同協会では「さとうみ庵」という海女小屋体験施設も運営しており、海女文化の啓発に力を入れている。海女という仕事を広く理解してもらうためにさまざまな活動を行っている。海女の世界も高齢化が進んでおり、後継者不足が大きな問題となっているのが実情だという。西崎さんは「とくに若い世代に、海女文化に関心をもってもらうきっかけになれば......」と力説する。

「碧志摩メグ」のキャラクターは、三重県四日市市のイベント企画会社「マウスビーチ」が志摩市に提案し、2014年10月公認された。「海女を侮辱している」など批判の声が上がったため、制作会社側が公認撤回を申し入れ、志摩市側がこれを受け入れたという経緯だ。

その後、同社は志摩市観光協会に加盟し、非公認キャラクターとして、クッキーやマシュマロといった菓子、文具類のパッケージなどに使用している。これらは志摩市をはじめ三重県内の土産物店で販売される他、全国各地で販売されている。

西崎さんは「加盟している会員の事業を応援するのは、協会として当然のことです」と話す。

「痛バイク」から「碧志摩メグ」へ


現役海女の林 喜美代さん(右)と「マウスビーチ」社・浜口喜博さん(左)

「マウスビーチ」社プロデューサー・浜口喜博さんにも、電話で話を聞いた。

浜口さんは三重県四日市市の生まれ。「鈴鹿8耐」と呼ばれるオートバイ耐久レースで活躍したプロのレーサーだ。自ら運転するオートバイの車体に、漫画のキャラクターを描く「痛バイク」でレースに参加した経験を持つ。

「フランスのル・マン24時間耐久レースにも痛バイクで出場したのですが、すごい反響でした。日本の漫画文化のパワーは大変なものです」と浜口さん。「痛バイク」がきっかけで、キャラクターの力に気づいた浜口さんは、あるキャラクターの企画開発に取り組むことになる。それが「碧志摩メグ」だ。

「志摩市の海女の皆さんにお会いして話を聞くと、高齢の方が多く、後継者不足はかなり深刻です」と浜口さんは語る。「実は応援してくれる海女さんは多いんですよ」。

「この4月は碧志摩メグさんに会いに伊勢志摩に遊びに行くぞ」

ツイッターに寄せられた反応を見てみよう。

「この4月は碧志摩メグさんに会いに伊勢志摩に遊びに行くぞ」「普通に、可愛いやんって思ったけど」「碧志摩メグのプリントクッキー買った」「新ポスターかわいい!」などという声だ。

早速、ポスターをもらいに行った人もいる。

ツイッター上では、「碧志摩メグ」はなかなか好評のようだ。