2得点・1アシストとこだわっていた“結果”を残した香川。まさにエースの面目躍如たる活躍ぶりだった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 4-3-3のトップ下でフル出場した香川が躍動した。17分に左サイドからのクロスでオウンゴールを誘発すると、シリアに流れが傾きかけた66分には価値ある追加点を奪取。胸トラップから鮮やかなボレーシュートを叩き込んだ。

「あの場面は冷静に打てました。チームとしては前半からリズムが良かったし、攻撃にスピードがあった。『これは点が入るのは時間の問題だな』と感じながらプレーしていました。先制してからなかなか点が取れませんでしたけど、相手の攻撃を凌いだなかで追加点が取れた。あのゴールで試合は決まったかなと思いました」

 終了間際の90分には2点目をマーク。シュートは一度GKに弾かれるも、こぼれ球を拾って冷静にゴールネットを揺らした。この3月の連戦を前に「結果にこだわりたい」と言い続けていただけに、本人もほっと胸をなで下ろしたようだった。

「まずチームの勝利が第一。そのなかで、僕には結果を出すことが求められていた。それをしっかりと表現できたのは良かったです。ただ、これを次の試合でも続けていかないといけない」

 この2得点により代表での通算得点を25とし、中村俊輔(24ゴール)の記録を抜いて歴代8位に躍り出た。「リスペクトしている選手を越えられたのは光栄なこと」と本人は語りつつも、「岡ちゃんや圭佑のように常に結果を出し続けたい」と満足している様子は見られなかった。

 結果だけでなく、プレーの内容自体も及第点以上。ボールロストがほとんどなく、ワンタッチもしくはツータッチのシンプルな捌きでマーカーをはがし、機を見た飛び出しで何度もチャンスを演出した。クラブシーンを含め、16年に入って一番の出来だったと言っていいだろう。

 これだけの好パフォーマンスを披露できたのは、チームが高い機能性を発揮したからとも言える。試合後、香川はこう手応えを口にしている。

「良い形で崩せたシーンが何度もあった。連動性があったし、選手の距離感も良かったと思います」

 チームメイトにも助けられ、復調を印象付けるプレーを見せた香川。相手のレベルがより高くなる最終予選でも、この試合で披露したような決定的な働きを果たせるか。背番号10の真価が問われるのは、これからだ。

取材・文:高橋泰裕(ワールドサッカーダイジェスト編集部)