運転にあたっては自分の既往歴に注意を

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デンマーク、コペンハーゲン大学ゲントフテ病院の研究チームは、「失神」の経験がある人は、ない人にくらべ自動車事故を起こすリスクが高いとする調査結果を発表した。

失神は、脳の血流が何らかの理由で瞬間的に遮断され発生する意識消失。けいれんや意識障害の場合、回復するまで長時間かかる場合もあるが、失神は数分で回復する。発生前に、目の前が暗くなる、めまいを感じる例が多い。

研究では、2008〜2012年に失神を起こし、救急搬送や通院していた4万1039人(平均年齢66歳)と、デンマークの行政記録で確認できる18歳以上の成人426万5301人の自動車事故発生率を比較、分析している。

年齢や性別、疾患などの要素を調整した結果、後続車両も巻き込むような大きな自動車事故発生率は、失神の経験がない人に比べ、失神したことがある人は83%も上昇していた。また、5年間で自動車によるなんらかの衝突事故を起こすリスクは、失神の経験がない人が5.1%だったのに対し、既往者は8.2%となっていた。傾向としては、男性のほうが事故を起こしやすいという。

失神既往者の特徴としては、37%が70歳以上で、心血管疾患を発症している人が多く、アルコール依存症や抗不安薬、精神安定剤の服用率も高かったことがわかっている。

研究者らによると、米国では、失神既往者は、6か月間運転を停止させられる州が多いが、実際には6か月以降も事故発生リスクが高いとし、医師や周囲の人間が、失神既往者の運転により注意を払えるよう、今後、失神の原因によって事故発生率が異なるかどうか、といった検証も進めていくという。

発表は2016年2月29日、米国医師会誌「JAMA Internal Medicine」オンライン版に掲載された。

参考文献
Syncope and Motor Vehicle Crash Risk: A Danish Nationwide Study.
DOI: 10.1001/jamainternmed.2015.8606. PMID: 26927689

(Aging Style)