自動運転の実現へ。「歩行者検知技術」でディープラーニングが威力を発揮!

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source:http://jacobsschool.ucsd.edu/

目に見えない“アルゴリズム”が、技術を大きく進化させることもあるようだ。

自動運転に不可欠である“歩行者検知”の速度を大幅に短縮できる新しいアルゴリズムを、カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームが発表した。

このアルゴリズムは、ほぼリアルタイム(秒間2〜4フレーム)で、しかも既存のシステムと比べると誤認は約半分という高精度での歩行者の検知が可能になるという。

自動車等の自動運転のほか、ロボット技術や画像、動画検索システムへの応用が期待される。同校のウェブサイトで紹介されている。

「カスケード型分類」って?

研究リーダーのNuno Vasconcelos教授らが開発したアルゴリズムは、“カスケード型分類”とよばれる方式と、“ディープラーニング”を組み合わせたものだ。

歩行者検知として典型的なパターンは、画像を小さな“窓”に分解し、それを歩行者の有無によって分類する。しかし、この方法はむずかしい側面もある。というのは、歩行者はカメラからの距離などよって、さまざまな大きさで画像の中に登場するからだ。

そして、1秒間に5〜30コマで撮影される動画のなかの無数の“窓”をそうやってすべてチェックしなければいけないからだ。

“カスケード型分類”においては、検知器はすべての工程で作業を行う。たとえば、最初の工程では、人間がいないことが簡単にわかる“窓”を検知して、それを排除する。たとえば画像の中の空の部分などがそれにあたる。

次の工程では、たとえば木など、人間なのかそれ以外なのか、コンピューターにとってはちょっと区別しづらいモノが写っている“窓”を処理する。そして最後の工程で、人間なのかそれによく似た別のモノなのかというむずかしい判別を行う。ただし、最後に残った“窓”の数は少なくなるので、全体的な作業の複雑さは低く抑えられるのだ。

いっぽうで、従来の“カスケード型分類”は、すべてのステージにおいて、比較的シンプルな分類作業を行う、“弱い学習アルゴリズム”(weak lerner)を使用する。

簡単な対象物を処理する最初のステージにおいては少ない数の要素による分類作業を、むずかしい対象物を処理する最後のステージでは、多数の要素を加味した分類作業を行うという具合に使い分けるという。

この方法はスピードは速いのだが、最後のステージにおいては能力が十分ではないという欠点がある。というのは、すべての工程において、同じアルゴリズムが使われるからだそうだ。

source:http://jacobsschool.ucsd.edu/

短所を補う「ディープラーニング」を導入

そこで、Vasconcelos教授らのチームは、“ディープラーニング”を採り入れた、新しいアルゴリズムを導入した。この“ディープラーニング”モデルは、何百回、何千回もトレーニングしてやれば、複雑なパターンのなかに、人間がいるかいないかの検知が“弱い学習アルゴリズム”よりも得意になっていくのだ。

しかし欠点もある。この“ディープラーニングアルゴリズム”は、“カスケード型類”において、最後の工程には向いているのだが、前半の工程に使うには複雑すぎるという。“いる”or“いない”を瞬時に判断できそうなケースにおいても少々考えてしまうのかもしれない。

そこで、研究チームは、初期の工程においては、“弱い学習アルゴリズム”を、後半の工程においては“ディープラーニングアルゴリズム”を使うという方法を採ることにした。

そう書いてしまうと簡単だが、Vasconcelos教授によれば、この作業はそんなに平凡なものではないという。チームはこの問題の解決のために新しい数式を導入して、“カスケード”デザインのための新しいアルゴリズムを作る必要があった。

<従来のアルゴリズムでは、作業の複雑さが異なるいくつもの工程を持つ“カスケード型分類”において、分類の正確さとスピードという相反する要素のバランスを最適化することができなかったのです。

実際、これは“ディープラーニング”の工程を持つ初めての“カスケード型分類”となりました。私たちのシステムは、リアルタイムで正確におこなう歩行者検知として、非常に優れたものとなっています>

とVasconcelos教授は話している。

現在、このアルゴリズムは、歩行者が“いる”か“いない”かの二者択一的な作業しかできないが、将来的にはさまざまな種類の対象物を同時に分類できる“カスケード”技術を目指している。

ひと昔前に比べて、自動車の自動運転が現実的なものとして認識されつつある。こういったアルゴリズムの進化が、歩行者の検知等の技術に大きく貢献しているのだろう。

この研究でまた自動運転の普及が一歩近づいたのかもしれない。

【参考・画像】

※ UC San Diego

【動画】

※ Pedestrian Detection -YouTube

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