システムは慣れ親しんだ4-3-3と予想。ほぼベストに近い顔ぶれがスタメンに名を連ねるはずだが、アフガニスタン戦でほとんど仕事がなかった東口の“2戦連続”もあるか。

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 すでに最終予選進出を決めている日本は3月29日、ロシア・ワールドカップ・アジア2次予選の最後のゲームで、グループ1位の座を賭けてシリアと対戦する。

 7試合を終えて、日本は6勝1分の勝点19で首位に立つ。対するシリアは6勝1敗の勝点18と、その差はわずか「1」。シリアの1敗は日本戦によるものだが、ホームで迎える今回の一戦を、指揮官は「我々の決勝戦」と位置付けると同時に、「簡単な試合ではない」と警戒を強めている。

 日本はここまで“失点ゼロ”と盤石の守備力を披露し、ハリルホジッチ監督も「失点せずに、美しく終わるのが大事」と強調する。勝点では上回るも、得点数では日本の22に対し、シリアは26。「得点能力は我々よりも高い。リスペクトして戦わなければならない」(ハリルホジッチ監督)のは当然で、最初に失点を許すようだと、苦しい展開を余儀なくされそうだ。

 加えて、シリアの“ワナ”にも気を付けなければならない。

「彼らの誘いに乗らないようにしなければならない。相手のGKは演技をしてきて、リズムを壊しにくる。シミュレーションにも引っかからないようにしたい。レフェリーの方がそういったシチュエーションを理解してくれることを望んでいます」(ハリルホジッチ監督)

 相手の挑発に乗ってしまえば、冷静さを失い、正しい判断ができなくなる恐れがある。落ち着いた対応を常に心がけて、フラストレーションを溜めずに、試合を上手くコントロールすることも重要になってくるだろう。

 一方で、ハリルホジッチ監督は「楽観的でいられる」ともコメントしている。その理由のひとつは、試合2日前のトレーニングの内容が充実していたからだ。

 10分×2本の紅白戦を実施し、「かなり高いレベルのゲームを見せてくれた」と評価。短い時間の中で、選手たちは戦う姿勢を存分に見せていたようで、宇佐美貴史のワンプレーを引き合いに出して、次のように説明した。

「宇佐美がマイクに対し、まるでCBのようなタックルをしていました。そんな姿は、リーグ戦では一回も見たことはありません(笑)」

 決戦に向けて、ハリルホジッチ監督だけでなく、選手たちも少しずつ士気を高めているのは間違いない。アフガニスタン戦とは異なり、このシリア戦はチケットが完売。圧倒的なホームの声援を受けるなかで、不甲斐ない戦いを見せるわけにはいかないだろう。
 シリア戦のスタメンは、清武弘嗣に言わせれば、「しっかりとしたメンバーで戦う」とのことだ。ハリルホジッチ監督も、アフガニスタン戦の4-4-2から「変更がある」とシステム変更を示唆。負けるわけにはいかないシリア戦で“冒険”するとは考えにくい。慣れ親しんだシステムで戦うことになるはずだ。

 ハリルジャパンの基本布陣と言える4-3-3を構成するのは、以下の11人。

 まず3トップは、岡崎慎司を頂点に据え、左に宇佐美貴史、右に本田圭佑。先述したように、紅白戦での宇佐美のアグレッシブを見て、指揮官も大きな期待を寄せているのではないか。本田はアフガニスタン戦で温存されただけに、先発は確実だろう。

 逆三角形の中盤は、トップ下に香川真司が入り、2ボランチは長谷部誠と山口蛍と予想。相手の高い攻撃力に対抗するには、中盤の深い位置でしっかりと守備を固めつつ、香川を攻撃に専念させて、この背番号10と3トップが連動してゴールをこじ開けるイメージだ。

 最終ラインは左から長友佑都、槙野智章、吉田麻也、酒井高徳。実力が拮抗する右SBの酒井宏樹や、左CBの森重真人という可能性もあるが、この4人は前回対戦時のメンバーであり、当時の経験が今回も活きるはずだ。

 GKは、怪我の影響により、ハリルホジッチ監督が「プレーするために来たのではない」と明言された川島永嗣を除けば、序列で一番手に考えられる西川周作とした。ただ、東口順昭というチョイスがあってもおかしくはない。先発したアフガニスタン戦はほとんど仕事がなく、判断材料にならなかっただけに、“2戦連続”もあり得るかもしれない。

 前回対戦では、シリアに3-0と完勝している。もっとも、前半は不安定な守備からピンチを招くシーンも散見された。後半に入り、ようやく本田のPKで均衡を破り、運動量が落ちた相手の隙を突いて追加点、ダメ押しを奪った。

 勝点3を掴んだものの、決して褒められる内容ではなかった。当時からの成長を示す意味でも、今回は結果とともに内容も伴った勝利を掴みたい。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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