守備の要として期待される吉田。シリア戦も無失点で抑えられるか。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト編集部)

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 シリア戦の前日会見で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「相手の罠に気をつけたい」とコメントした。

W杯アジア2次予選第7戦・PHOTOハイライト】 日本 5-0 アフガニスタン

「シリアはリアリストなチーム。彼らの誘いに乗らないようにしたい。向こうはリズムを壊しに来る、そうした罠に引っ掛からないようにしたい。演技もしてくるだろうし、レフェリーの方がそういうシチュエーションを理解してくれることを望んでいます」

 シリアの挑発に乗らず、無駄なファウルをせず、ワールドカップ・アジア2次予選を無失点で乗り切ることが、今回のノルマのひとつになる。

 ある意味、シリア戦は自陣のペナルティエリアでミスが許されない試合になる。昨年10月15日のイランとの親善試合で前半終了間際に“相手の罠”に引っ掛かり、PKを与えたCBの吉田麻也も、それを十分に理解していた。

「相手も予選突破がかかっているので非常に重要な試合。向こうは移動があって、こっちは2試合ともホームで戦える利点がある。絶対に言い訳はできないし、内容的にも良いものを見せたいです」

 吉田に言わせれば、2次予選・全8試合での無失点は「最低限のノルマ」だ。

「目に見える役割は少ないですが、細かいタクティクスのところでやろうとしていることはたくさんある。相手云々というよりはそれをしっかり成し遂げるかどうか、監督が求めることをやれるかどうかが重要です」

 細かいタクティクスとは、「押し上げのスピードや、カウンターの芽を摘む最初のポジショニング」を指す。そうしたところにこだわりつつ、吉田はアグレッシブなプレーも体現したいという。

「(ハリルホジッチ監督が相手を殴りに行くようなスタンスも必要だと言ったことについてどう思うかと訊かれて)まあ、殴りにいくような気持ちでやります。表現は違うけど、自分もアグレッシブに行きたい。監督がそれを求めているのは感じます」
 
 一方で、吉田は攻撃面でも“あるノルマ”を課している。
 
 
 
 吉田は次のように話す。

「引いた相手に対し、1点目を奪うまで時間がかかっている。向こうが後半に緩んでからではなくて、ガチガチに守られている時に打開できるような形を作りたい」

 では、具体的にどのような攻撃をイメージしているのか。

「なるべくシンプルに。綺麗にやりすぎないように。(アフガニスタン戦で)夢生が決めた5点目のような形でも、4点目のようなセットプレーからの得点でもいい。ワールドカップまであと2年しかないので、高いものを目指してやっていかないといけない」

 ワールドカップまであと2年──。これは前回のブラジル・ワールドカップを経験した本田圭佑、香川真司あたりからも必ず出てくる言葉だ。ブラジルの地で屈辱を味わった彼らは確かな危機感を持っている。

「守備力に関して伸びないといけないと感じている。ただ、2次予選ではなかなかそれを積み上げられない。だから重要なのは、各々がどれだけ突き詰めてやっていくか。それぞれクラブに戻って向上しないといけない」

 3月26日の練習後、本田も次のようなコメントをしていた。

「アジアは世界的に見ると不利。ワールドカップに向けた準備のなかで、このレベルでしか2年間戦えない。アジアカップで優勝したチームが唯一、コンフェデレーションズカップに出てシミュレーションができる。ただ、それもたったの3試合ですからね」

 そうしたストレスのようなものを吉田も抱えているから、「各々がどれだけ突き詰めてやっていくか」という結論に行き着くのだろう。危機感を自信に変えるために──。その第一歩が、シリア戦での完封勝利になるか。

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 

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