Doctors Me(ドクターズミー)- 産後のケアって、何をすればいいの?【ココロとカラダのメンテナンス講座】vol.5

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みなさん、こんにちは!
一般社団法人体力メンテナンス協会代表理事を務める、産後指導士の朴 玲奈(ぱく れいな)です!

みなさん、産後といえば、「どのように子どもを育てていくか」ということや「毎日の体調や成長」など、考え事は尽きませんよね。
各医療機関や自治体でも子どもの成長を支える仕組みは、とても整っているかと思います。

でも、それと同じくらい、それ以上に、お母さんへのケアがとても重要であることをご存知でしょうか!

ココロとカラダのメンテナンス講座、今回は「産後ケア」についてお話していきます。

産んだらびっくり?産後の身体の変化!

赤ちゃんを産むまでは、毎月妊婦検診があり、余裕をもったマタニティライフを送れる方は多いと思います。

でも赤ちゃんを産んだ途端、24時間ノンストップ育児、自分のことは後回しで育児が始まります。
100人いれば100通り。一切マニュアルも通用せず、予定通りにもいかない。
その上、小さな子どもと接する時間は思いのほか緊張感があり、気を張って神経を24時間使いっぱなし!

もう身も心もボロボロ・ヨレヨレ。
産後がこんなにしんどいなんて産むまで知らなかったー?!というのが現状ではないでしょうか。

なのに、お母さんへのケアは産後は1カ月検診が終わると、その後はすべて赤ちゃん側にシフトするのです。
お母さんへのケアがない状態で、育児に突入すると社会とのつながりがなくなったり、旦那さんとの会話もなくなったり、どんどんと思考が狭まり、孤独感や焦燥感にさいなまれるということも…。

産後のダメージは、
・すぐには体型が戻らず、体重が減らない。
・極度の肩こり、腰痛、恥骨の痛み。
・腱鞘炎や乳腺炎。
などといった外側にでるものだけではありません。

環境の変化やホルモンの変動から起こる、
・自律神経の乱れ。
・数時間おきの授乳に備えた体の変化により、浅い睡眠しか取れない。
・睡眠が取れないと体力も落ち、ストレスも溜まり。。。
・子どもと接する24時間、気を張り神経を使う途切れることのない緊張感からくるダメージ。
といった、内側から起こるものも多いのです。

産後の疲れは、気付きにくい?!

そして、何より、問題なのは!
この、体の疲れや心の疲れに『産後は気付きにくい!』ということなんです!

かわいいわが子と接していたり、母乳を上げていたりすると、オキシトシンという、幸せ物質が出ます。
オキシトシンは、ストレスを消し、幸福感をもたらす物質で『幸せホルモン』とか『癒しホルモン』とも言われていて、しんどい毎日もこの幸せ物質で緩和されているのです。



つまり、実際感じている疲れや疲労の数十倍、体は疲れて神経は消耗しているのです。
しかもそれは、なくなるわけでなく蓄積され、忘れたころにどっと自分の体と心に返ってきます!

産後には、見えない・気づかないところで想像以上に大きなダメージを体は受けているのです!

以前のコラムでもお話ししたように、体力・気力不足は、自律神経の乱れを引き起こすのでしたね!
そして、周産期はホルモンの分泌量の変動が起こります。
そう、「ホルモンの変動も自律神経の乱れを起こす!」でしたね!

だからこそ、出産後の産褥期には、体をしっかり休めることが必要なのです!(たとえ疲れや疲労を感じていなくても!)
そして、しっかり体を休めた後! 体を元に、いえ、元の状態以上に戻す「産後ケア」が、必要なのです!

現在の社会では、核家族化が進み、頼れる人が全くいない状況で産後を過ごす方も増えているようです。
産後に無理をしたり産後のケアを怠ると、その後の体質が変わってしまったりする危険性もがあります。

近年、ネグレクト、産後クライシス、育児ノイローゼ、虐待、などのニュースも後を絶ちません。
これは産後うつが原因のものも、とても多いのです。

育児は体力勝負!温存するよりやるといいこと…?

一般社団法人体力メンテナンス協会では、「産後にはまず、真の体力をつけること!」を推奨しています。

産後すぐは体を回復させるために、しっかり体を休めなければなりません。
しかし、その後、ゆっくりとした生活を送れるわけではなく、子どもの動きに合わせて育児はどんどんハードになっていきます。まずは何より体力をつけることが必要なのです。それも、真の体力を!

動ける体作りではなく、気力やエネルギーに満ち溢れた体力をつけましょう!
体を復活させるためにも心をイキイキさせるにも、体力が必要なのです。育児はまさに体力勝負です!!

体力をつけるには、エネルギー物質ATP(※1)をたくさん生産させなければなりません。
そのために有酸素運動をすることが必要なのですが、赤ちゃん連れで、マラソン、エアロビ、などはなかなか難しい・・・。

そこで!家の中でもかんたんにでき、赤ちゃんを抱っこしたまま弾んでエクササイズが可能なバランスボールを当協会はおすすめしています。
バランスボールの弾みの揺れが、赤ちゃんには心地よい揺れとなり寝かしつけにも使えるんですよ!



私の産後ケアのクラスにいらっしゃる育児真っ只中のママたちからよく聞くのが、「明日予防接種だから、今日一日はゆっくり休んでおかないと。。。」などの台詞です。
体力が低下することによって、疲れないようにと、体力を温存しようとしてしまうのですが、そうすると、どんどん体力が落ちてゆき、気力も失われていきます。

もうお分かりの方も多いのではないでしょうか。
体力が足りてないな、と感じるとき、なかなか疲れがとれないなというときこそ、運動が必要なのです!

※1:ATPとは…
アデノシン三リン酸。エネルギーを貯めたり使ったりするときに必要な物質。

産後だから、ココロとカラダをメンテナンス

そうして、体力がついた後!

・妊娠出産によって交通事故にあったくらいのダメージを受けているとも言われる骨盤を整える。
・体全体の骨格を補正し、その骨格をキープする筋力を正しくつける。
・同時に自律神経やホルモンのコントロールも行う。

というように、新しい人生を構築するための脳活性を行うことも産後ケアには必要です。

妊娠中から分泌されるホルモンにより骨と骨をつなぐ靭帯が柔らかくなっている産後は、骨格も不安定な状態になっています。
この時期は子どもが生まれることで環境が変わり、神経の回路も以前と同じようではなくなる時期でもあるので、
・神経回路を活性化すること。
・ホルモンの分泌を安定させること。
・脳活性をすること。
そうすることで、産前よりも気に入るココロとカラダを(それこそ!敗者復活戦のように!)再構築できる時期なのです!!

ところで「産後」っていつまで?

いつまでが産後?という質問をよく受けます。

・ホルモンの分泌量が大きく変わっている授乳期。
・赤ちゃんを抱っこしつづけ骨に負担がかかっている抱っこ期。
・そして赤ちゃんを追いかけ回すことで母体の骨格がまだ安定しない状態である追いかけ回し期。

このような時期も、まだ十分産後ケアの効果を十分に享受できる時期だと思います。
(産後の年数がどれだけ経っていても体力メンテナンスをすることでココロもカラダも整います。)

産後のケアを行い、ママたちの体が元気になることで、社会問題にもアプローチできることがたくさんあると考えています。
・少子化(子どもをもっとたくさん産もう、育てようと思える体力・気力がつく。)
・離婚率低下(旦那さんとの潤滑なコミュニケーションに加え、産後クライシス・セックスレスを防げる)
・医療費削減(産後をこじらせることなく心身ともに豊かになる。)
・女性労働力向上(社会に戻り労働できる体力・気力がつく。)
などなど…。

本日のまとめ

一般社団法人体力メンテナンス協会では、全国に産後ケアを行う専門家である、産後指導師・体力指導師のインストラクターが200名を超えました。
日本各地で産後ケアの普及が進んでおります。

市によっては、当協会の産後ケア普及パンフレットが、母子手帳に同封されるところもあります。
すべての女性が産後ケアを知り、子どもの検診と同じくらい重要であるということを知り、産後ケアを行われる日が来ることを、そして、いずれ公費で産後のケアが受けられる日を目標に、これからも活動を続けていきたいと決意しております。

〜産後指導士:朴 玲奈〜