ウォンバットのヒロキ (撮影・ 都築英哲)

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横浜の金沢動物園に「ヒロキ」というウォンバットがいました


みなさんは、「ウォンバットのヒロキ」のことをご存知でしょうか?

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金沢動物園(石川県ではなく、神奈川県横浜市にあります)で飼育されていた日本最高齢(当時)のウォンバットで、1987年3月に、オーストラリアのメルボルン動物園から、横浜港とメルボルン港の貿易協定の親善大使として金沢動物園にやってきました。

「ヒロキ」という名前はヒロキを保護した時にオーストラリアに留学していた獣医のヒロキさんにちなんで名付けられたそうです。

15年に全国の水族館や動物園が「#いきものウィーク」というハッシュダグ企画を行った時に注目され、SNSを中心に人気に火が付き、ヒロキを紹介するTwitterアカウント(@wombachow)や、人気俳優の鈴木拡樹さんが「同い年のヒロキ」としてツイートするなど、すこしとぼけた愛らしい姿のヒロキのファンは徐々に動物園ファン以外にも口コミで広まっていき、TVなどのメディアに登場することもありました。

実際には見たことがなくても、ネット上に拡散された写真を通して愛嬌たっぷりの姿にほっこりし、癒されたひとも多いはず。しかしながら、高齢なこともあり昨年の夏に天国に旅立ってしまいました。

そんな〈ヒロキ〉愛にあふれた本が出版されました

ヒロキの他にも様々な動物園で暮らす生き物たちをとりあげるブログ「bonsoir」の執筆者のひとりである都築 英哲さんが『ヒロキと六つの大陸と一つの島 そして100万匹のウォンバット』(J’animalブック)という本を上梓しました。

2009年くらいから動物園に通うようになったという都築さん。映画にもなったベルリン動物園のホッキョクグマ「クヌート」がきっかけで、色々な動物園に足を運ぶようになったとのこと。

最初にウォンバットを知ったのは、多摩動物園のチューバッカ(死亡)との出会いから。ウォンバットという動物自体に興味を持ち、金沢動物園のウォンバット、ヒロキにも会いに行くようになりました。動物園でゆうゆうと生活する、おでこに三本線の入ったおじいちゃんウォンバットのヒロキの魅力に夢中になり、かなりの頻度で通うようになったそうです。

金沢動物園は約12万平方メートルの広大な敷地内で草食動物を飼育する動物園です。交通機関を使って行く場合は、京急線金沢文庫駅からバスで約12分。自然に囲まれ、動物たちがゆったりと過ごしている素敵な動物園です。

都築さんは「書籍やカレンダーの反響によって、動物園に再びウォンバットがやってくるかもしれない、〈金沢動物園にはヒロキというウォンバットがいた〉ということを風化させないためにも、ウォンバットを呼ぶことができれば…」という期待を込めてこの活動をしているそうです。

本書も、いわゆるブログ本や写真集ではなく、ヒロキが様々な大陸に行き、そこで色々な生き物にであう――という絵本のような内容。一見ファンタジーのようですが、「動物園は世界への入り口」という都築さんの想いが反映されたものになっています。

ヒロキの写真を楽しみたい人は、書籍と同サイトで販売されているカレンダーがおすすめです。

書籍もカレンダーも、売上の収益の一部は「アニマルペアレント」に寄付され、動物たちのために使用されます。
「動物園の動物は、とても思慮深く、こちらのこともよく見ています。言葉は通じなくても気持ちを感じることができます。

日本の動物園は公的機関が運営していることが多いため、なかなか潤沢な予算がとれないといいます。動物園が存続していくには、来場者数を増やすのが一番の近道。この本を通して動物園の魅力が少しでも伝われば」と語る都築さん。

これから春の行楽シーズン、動物園も活気づく季節です。動物園で世界中の生き物たちとふれあうのも良いかもしれませんよ。