膨大なデータを管理しているGoogleの心臓部ともいえるデータセンター内部の様子が、周囲360度をぐるっと見渡せる360度ムービーで公開されています。ムービーでは、普通ならまず入ることができない内部の様子を見ることができるほか、超巨大なデータセンターを管理するさまざまなテクノロジーが語られており、なかなか興味深い内容となっています。

Google Data Center 360° Tour - YouTube

ムービーの冒頭には「Best Viewed on Google Cardboard」の文字。この360度ムービーは、スマートフォンでVR(仮想現実)ゴーグルが作れるGoogle Cardboardを使うことで、まるでその場に自分がいるようなVR体験ができるようになっています。



なお、編集部にあるGalaxy「Gear VR」でも動作することを確認しているので、実機を持っている人は試してみても良さげです。

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Googleのサンディープさんが今回のツアーの案内役。オレゴン州ザ・ダレスにあるGoogleのデータセンターに潜入して内部の様子をいろいろと撮影しています。この出入り口では厳重なセキュリティ管理が行われており、Googleの従業員でも内部に入ることができるのはごく限られた人だけとのこと。



まずはロビーで、サイト・リライアビリティ・エンジニア(SRE)のノアさんから仕事の内容について説明。SREはサーバーのシステムが問題なく動作するための管理を行う技術者で、複数のSREが24時間の交代制でトラブルの対処に対応する体制が取られているとのこと。また、そのような問題が起こらないように、電力やネットワーク環境などの冗長化をあらかじめ施してあるそうです。



話の途中でも、画面をぐりぐり動かして周りの様子を見ることが可能です。



そしてここからデータセンターの内部へ。サンディープさんの向こう側にある入り口が、厳重に管理されたデータセンターへの入り口です。



入り口は2重のドアになっており、目の虹彩をスキャンする虹彩認識システムでチェックを受けた人しか中に進めないようになっています。さらに、内部に入れるのは1度に1人だけで、2名の保安スタッフが付き添う規則になっているとのこと。



ついにデータセンター内部へ。いかにも広そうな部屋の中にギッシリとサーバーラックが並んでいることがわかります。サンディープさんの後に立っている保安スタッフの存在も要チェック。



周囲をぐるりと見回してみると、文字どおりサーバーラックで埋め尽くされている状態。この建物のフロアにあるマシン全てがひとつのクラスターとして動作しているとのことで、クラスターをマネジメントするためにBorg(クラスターマネージャー)やColossus(分散ファイルシステム)、Spanner(データベース)などのツールを駆使し、スケーラブルな用途に対応しているとのこと。



シニアネットワークエンジニアのバージニアさんが登場。このデータセンターは7万5000台ものサーバーを収納するキャパシティを持ち、建物全体での帯域幅は1PB(ペタバイト)/秒にも達するとのこと。バージニアさんは膨大なハードウェアの管理に携わっている模様。



Googleのデータセンターで用いられているハードウェアは全てカスタムメイドされており、Googleの要求を満たすための柔軟性や性能が実現されています。これらの機材は常に追加され、Googleの提供する各種サービス、そしてクラウドサービスを実現するためのメンテナンスが日々行われているそうです。



Googleはこのようなデータセンターを世界中に10か所以上保有しており、それらをSDNベースの専用バックボーン「B4」で結ぶことで、膨大な量のデータの管理を行っているとのこと。



この部屋は、実際のデータを保管するためのストレージルーム。



BigQueryで巨大なデータベースの検索を行った時、またはGoogleのクラウドにデータをアップロードした時など、実際に使われるデータはこのようなスペースに置かれたHDDやSSDの中に保存され、活用されるというわけです。



次に訪れたのは、廃棄処分となったHDDやSSDなどのストレージ機器を破壊処理するための部屋。廃棄することになったHDDをサンディープさんがスタッフに渡すと……



まずはスキャナーでピッ。



そして、機械の上から投げ込みます。



そして、この機械「シュレッダーマシン」がストレージ機器を物理的に粉々に粉砕。こうすることで、不要になった機材を確実に廃棄して、ユーザーのデータが流出することを防止しているとのことです。



次の部屋では、データセンターの設備管理者のブライアンさんに話を聞いています。



4色のGoogleカラーに塗り分けられた配管の数々。これらのパイプの中には冷却用の水が通っており、機材と建物全体の冷却を行っています。中央に少し見えている円筒状の機械は、冷却水の温度を下げるための冷却器ですが、この機械を稼働させることはほとんどないとのこと。ではいったいどうやって膨大な熱を排出しているのかというと……



屋上に設けられた、巨大な冷却器「クーリングタワー」がその役目を担っているそうです。この機械は、水が蒸発する際の気化熱を利用することで冷却水の温度を下げる仕組みを取り入れているとのことで、その様子を「クラウドを実現するために、クラウド(雲)を発生させている」と語っています。このように、自然環境と自然条件を活用することでエネルギー効率を向上させており、建物全体のエネルギー効率を示すPUEの数値は1.14を実現しているとのこと。一般的にはPUEが2.0になると「効率が良い」と言われることからも、Googleのデータセンターがいかに高効率であるかがわかります。



データセンター内には、施設内で用いられる電力を管理するための専用の変電所も作られています。ここで使われている電力は、基本的に近くにある水力発電所で作られたものを使っているとのことで、Googleではグリーンエネルギーを活用しているということが語られていました。