みなさんは、自分の集中できる時間がどのくらいかをご存知ですか?

医学的な見地からみると、人間がひとつのことに集中できる時間はせいぜい40分程度だそうです。

つまり1時間悩んでいるとしても、そのうち20分は集中できていないようなのです。そう考えると、時間がもったいないですよね。

40分で考えをまとめ、仕事をサクサク進められればいちばんです。しかし、なにを考えるのかがまとまっていないと、その40分間でさえ途中から余計な思考に走ってしまうことも……。

そこで今回は、MBAを取得し、会社員とイラストレーターの二足のわらじを経験した、かんべみのりさんの著書『マンガでわかる!入社1年目からのロジカルシンキングの基本』(SBクリエイティブ)をピックアップ。

本書から抜粋した「時間を無駄にしない仕事の秘訣」は、社会人のみなさんが仕事をしていく上で大切なスキルだと思います。早速ご紹介していきましょう。

■大切なのはイシュー(問題の本質)を押さえること

大切なのは、イシューを押さえることだと著者は主張しています。イシューとは「考えるべき問い」「問題の本質」という意味。イシューを漠然と捉えていると、根本的な部分があやふやであるため、的外れな労力を使ってしまったり、時間の無駄遣いにつながったりしてしまうようです。

イシューの押さえ方は次のとおり。まず、あるべき姿(To be)と現状(As is)を把握し、ギャップを明確にすることで、「なにを考えるのか」を明らかにします。難しい場合はいまなにを考えるべきかを具体的な言葉(動詞が良い)に置き換えてみるといいそうです。

また、イシューは「押さえたあと」も重要で、以後も押さえ続けなければなりません。

新しい仕事では、往々にして新しい刺激があるもの。そのため、脱線した思考や議論が展開されてしまうことが多々あるようです。常にイシューを押さえた話し合いができるように、確認することが大切です。

■人間は失敗したくないから「前例」を真似したがる

もし、イシューを押さえないで仕事を進めた場合はどうでしょうか。

たとえば、違う会社が運営していたイベントを自分が引き継ぐことになったとします。その場合、前任者からいままでの資料一式をもらい、前回のイベントと同じような仕事をすることになります。

そのとき、「昨年これでうまくいったようだから、この資料通りにやれば無難に終わるだろう」と考えて、動く人が多いそう。

新しいアイデアが出たときも、「失敗したときの責任を取りたくないし、突っ込んで追求されたくない……」と思ってしまい、多くの人が前例のとおりに動いてしてしまうそうなのです。

しかし、その前例は本当に正しいのでしょうか。

うまくいかなかったことの詳細なんて、報告書にわざわざ掲載していないかもしれません。終わってしまったイベントの失敗を追記するなんて、日々の仕事に忙殺されている担当者ならなかなかしないことでしょう。

惰性で仕事をし、イシューを押さえられていないと、平気で同じ失敗を繰り返してしまうことになりかねません。

仕事は、自分で考えて結果を出すことで成長につながります。

著者は「ただ指示に従っているだけでは機械と同じ! 正しく考えて、自分で道を見つけて、結果を出していくことが仕事の基本」と主張しています。

いわずもがなですが、仕事は惰性でしないことも重要。よい結果も悪い結果も含めることが、自分で自分の人生を引き受けることにつながっていくようです。

イシューを意識しないと、論点がずれたり、的外れな労力を使ったりしてしまいます。

あとから毎回、軌道修正や変更などをしていたら、いくら時間があっても足りなくなってしまうでしょう。イシューを意識した上で、集中できる時間を有意義に使っていく、これが時間を無駄にしない秘訣だと思います。

本書は、日々時間に追われ、忙しい会社員の皆さんが参考にできる内容がてんこ盛り。

解説の一部がマンガになっていて読みやすいので、ご興味のある方はぜひ一読してみてはいかがでしょうか。

(文/齊藤カオリ)

 

【参考】

※かんべみのり(2016)『マンガでわかる!入社1年目からのロジカルシンキングの基本』SBクリエイティブ