現時点でのベストメンバーで臨む可能性が高いシリア戦。ハリルホジッチ監督の采配に注目したい。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大 (全2枚)

 ワールドカップ・アジア2次予選の最終戦(3月29日のシリア戦)を前に、日本の最終予選進出が決定。これを受け、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「ロジカルな結果」としながら、「我々の野心はここで止まらない」と強調した。

【W杯アジア2次予選第7戦・PHOTOハイライト】 日本 5-0 アフガニスタン

「もっと大きな野心を持っています。最終予選に進出できたことは素晴らしい。ただ、もっとできるかなと思います。いや、もっとやるべきでしょう」

 指揮官が最終予選に向け、突き詰めたいのはディテールの部分だ。

「最終予選でなにができるか。真の日本代表の姿を見られると思います。ここまでいろいろトライしていますが、ディテールの部分を修正しながら最終予選に向けた準備をしないといけない。修正したいディテール? 本当にたくさんあります。攻撃も守備も。スタッフたちとビデオを見て分析しましたが、本当にたくさんあります。結局は、ディテールの部分がハイレベルなところで差をつけると思います」

 確かに、真の日本代表の姿はまだ見えてこない。2年後の2018年に34歳になる長谷部誠をこのまま不動のレギュラーとして使い続けるのか、アフガニスタン戦でテストした4-4-2システムはあくまでオプションなのか、そうした部分は今のところ不透明だ。

 ちなみに、システムについてハリルホジッチ監督は次のようにコメントしている。

「2次予選ではここまで満足行くトライができた。ただ、4-4-2というシステムが上手く機能するかは、これから判断しないといけない」

 清武弘嗣曰く「しっかりとしたメンバーで戦う」シリア戦は、従来の4-3-3で臨む可能性が極めて高い。ハリルホジッチ監督は「今回の連戦でオーガナイズをふたつ試す」と明言しており、そのオーガナイズのひとつが“4-4-2”だとしたら、おそらくもうひとつのそれは4-3-3になるからだ。

 シリア戦で4-3-3を採用すること自体に問題はない。指揮官の考えが揺らぐとすれば、4-3-3でシリアに苦戦した場合か。仮に前半を0-0で終え、4-4-2に切り替えた後半に複数のゴールを奪う展開になれば……。最終予選でのファーストチョイスが4-4-2になるかもしれない。

 もっとも、システム以上に気になるのはベテランの扱いだ。

 ここまで不動のレギュラーとしてチームを引っ張る長谷部を最終予選でも使い続けるのかは、チームの方向性を示すひとつの判断材料になるかもしれない。遠藤保仁(36歳)や大久保嘉人(33歳)を「年齢的に」というニュアンスでアジア予選に招集していないハリルホジッチ監督が、現在32歳の長谷部をどう起用していくかは今後、ひとつの見どころになる。
 
 

 
 
 
 チームとして成長しなければいけない。それは、指揮官も理解している。

「最終予選で徐々に発展しないといけない。日本というグループがチームとして発展している姿を見せないといけない」

 仮に「発展」の部分に世代交代も含まれるなら、最終予選を戦うメンバーはより若手にシフトした顔ぶれになるかもしれない。例えば、長谷部を外して、柴崎岳、山口蛍、柏木陽介、遠藤航でボランチを争わせるといったように。

 断じて、長谷部が不要と言っているわけではない。実際、チームリーダーとして重要な役割を担っており、彼の経験を若手に落とすという意味でも存在価値は高い。

 それでも──。遠藤保、大久保の例に照らしてみると、指揮官がそうしたチャレンジ(大胆な世代交代)に踏み切る可能性がゼロとは断言できない。

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 

※では、「2016シーズン J1&J2リーグ全40クラブの戦術ガイド」をお届けします。また齋藤学選手、シモビッチ選手、大黒将志選手、原口元気選手の独占インタビューも掲載。ボリューム満点の内容でお届けします。