負傷離脱した小林に代わり、追加招集された齋藤。先のミニ合宿にも参加しており、途中からの合流でも「すんなり入れた」と語る。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 3月24日のアフガニスタン戦に途中出場した小林悠が試合中に負傷し、代表から離脱。その小林に代わり、同26日に齋藤学が追加招集された。

 所属する横浜は週末のナビスコカップで試合がなく、チームは連休だった。当然、齋藤も“オフモード”でいたはず。そんなタイミングでの追加招集だった。

「食事している時に連絡がありました。旅行に行っていなくて良かったな、と(笑)」

 齋藤は今月上旬に実施された国内組だけのミニ合宿に参加している。それだけに、途中からでの合流でも、「僕的にはすんなり入れて、シックスゴールのゲーム(ミニゴールを6つ設置したゲーム形式のトレーニング)とかでも、遜色なくやれたと思っている。一度か二度、相手の逆を取るシーンもあったので」と、大きな問題はない。

 そのミニ合宿は、齋藤にとっては久々の“招集”だった。昨年末に行なわれたミーティングには呼ばれていたが、実質的な代表活動は約2年ぶりのことだった。
 
「メンバーも全然違うし、新鮮さはあります。監督はすごく戦術の話をしていたので、そういう部分を得られればいい。とにかく、やり方を自分の中に入れていかないといけない」
 
 合宿初日から貪欲な姿勢を見せ、ハリルジャパンの戦術を吸収していった。練習内容を見る限り、おそらくは4-3-3のウイングとして考えられているはずで、齋藤も「このポジションにはすごく良い選手がたくさんいる。少しでも良さを出していきたい」と強い意気込みを口にしていた。
 
 そして、欧州組が加わった今回の3月シリーズで招集された24人には選ばれなかったものの、先述したとおり、追加招集という形で“復帰”を果たした。
 
 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は齋藤を次のように評価している。
 
「FWとして真ん中もできるし、サイドもできると思っている。彼には爆発的なスピードがある。身長は小さいが、テクニックに関しても問題はない」
 
 横浜では開幕からスタメンを張り、4節を終えてフルタイム出場中だが、わずか1ゴールと思うような結果を出せていない。ただ、身体のキレはあり、抜群のプレースピードで相手DFを翻弄するシーンは少なくないだけに、現在の状態の良さを代表の舞台でも発揮してくれるはずだ。
 
 24日のアフガニスタン戦も確認済みで、イメージはできている。
 
「国内合宿で言われていたようなワンタッチのプレーとかがすごく意識されていて、合宿ではなかなかできなかったことが、キヨ君(清武弘嗣)とかを中心に上手くできていたと思う。攻守の切り替えの速さでも相手を圧倒していたし、そういう部分を(自分も)意識してやっていきたい」
 
 29日に対戦するシリアの印象について聞かれれば、「簡単な相手ではないと思っている」と語る一方、「ホームですし、勝たなければいけない」と捉え、「そのなかで、チャンスをもらえるように、まずは練習から見せていきたい」と表情を引き締める。
 
 14年のブラジル・ワールドカップメンバーだった齋藤は、その後、代表からはしばらく遠ざかっていた。それがようやく、昨年末のミーティングに呼ばれ、先のミニ合宿を経て、今回は追加招集という形だが、本当の意味で代表に戻ってきた。
 
「懐かしさだったり、久しぶりな感じだけど、監督も違うし、やり方も違う。新しく入ってきた選手として、練習から自分の良さをもっと知ってもらうためにもやっていかなければならない。日の丸を付ける機会はなかなかない。短い時間だけど、“この時”を楽しんで、自分を向上させるためにも有意義な時間にしたい」
 
 シリア戦で起用されるかどうかは分からない。現在の序列を考えれば、ピッチに立てるとした途中出場からだろう。アピールの場となる普段のトレーニングも、追加招集だけに限られた時間しか残されていない。
 
 そうした状況において、どこまで食らいついていけるか。ハリルジャパンのウイングには、本田圭佑、宇佐美貴史、原口元気、小林をはじめ、欧州組の武藤嘉紀や南野拓実らもいる。“最大の激戦区”で存在感を示すためにも、今回のチャンスを必ずモノにしたい。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)