こんなイメージの断食とは程遠く

写真拡大

ダイエットを始めてもうすぐ半年。木村清志さん(仮名、以下キヨシさん)が「10キロ減」という目標達成のために最終手段に乗り出した。週末を利用した「プチ断食」だ。

食べるのが大好きなキヨシさんにとって、もっともつらい方法を選んだ。「今日は食事を抜くぞ」と意気込んで臨んだ結果は――。

心の準備、胃の準備が整わないまま

キヨシさん「週末に断食しました」

意気揚々とやって来たキヨシさん。早速語り始めた。

休日の朝はゆっくり始動するので、朝食をとらない。昼と夜の2回、食事を我慢すれば何とかなるのではないかと判断したという。

家族そろってのランチタイムの時間、もちろん自分の前にはご飯もおかずも並ばない。妻や2人の息子がおいしそうに食べるなか、黙って見るだけだった。食欲をそそる料理の香りが漂ってくる。これがいけなかった。グーグーと鳴るお腹。食べ物のことしか考えられなくなってきて、イライラも頂点に。その様子を見た妻・美香子さん(仮名)から「無理しないで」と声をかけられた。

編集部「そうか、それでも『オレはやるときはやる』と我慢したんですね」
キヨシさん「いやあ、実はもう限界に達しちゃいまして、昼食が終わって1時間後には...」
編集部「えっ、食べたんですか。諦めるの、早すぎでしょ」
キヨシさん「しかも、おにぎり2個にみそ汁を、お腹いっぱい」
編集部「......それ、昼食の時間を遅らせただけじゃないですか」

キヨシさんは敗因を、「心の準備、胃の準備を整えないまま断食に入ろうとしてしまった」と分析した。一方、しばしば週末にプチ断食をしている美香子さんの場合、きちんと「手順」を踏んでいる。

まず金曜の段階から、食事の量を通常より減らす。断食初日の土曜日は酵素ドリンクだけを飲んで過ごす。そして日曜日になったら、おかゆのように胃への負担が小さいものを食べて、徐々に戻していく。

編集部「奥さんと一緒に、同じようにやればよかったんじゃ...」
キヨシさん「(聞こえないフリ)」

準備期、断食期、復食期の3段階

断食はダイエットにどんな影響を及ぼすか、管理栄養士に取材した。あくまで栄養面で、どの程度の食事に抑え、何を食べたらよいかという観点だ。

週末に挑戦する際は、金曜日を「準備期」、土曜日を「断食期」、日曜日を「復食期」と位置付ける。前提として断食期が1日だけでは、「脂肪はほぼ燃焼しません」。そこで、体にたまった毒素を排出する「デトックス」、普段の過食や不規則な食事で負担がかかっている消化器を休ませて機能回復を促す、の2点を目的にするとよいと話す。

まず準備期では、揚げ物や肉類、加工食品、アルコール、菓子は避ける。昼食は7分目程度、夜は玄米や雑穀を混ぜたおかゆを食べる。次に断食期。「まったく食べてはいけない」は間違いだ。1日500キロカロリー程度のエネルギーは摂取する。ただし固形物は避ける。栄養士が勧めるのは、枝豆や豆乳といった良質なたんぱく質、生野菜や果物、腹持ちのよいイモや根菜類で、いずれも固形のままでなくスープにして食べる。さらに、「飲む点滴」と言われるほど栄養豊富な甘酒にも注目したい。

逆に清涼飲料水、アルコール、あめやガム、人工甘味料や砂糖が多く含まれる食品、市販の野菜ジュース、カフェインは、断食期では遠ざけておこう。

最後に復食期。朝食と昼食は、準備期の夜と同じく玄米や雑穀入りのおかゆ、夜は脂肪が少ない和食中心のメニューで、量は5〜7分目程度に抑えるのが望ましい。「急激に元の食事量に戻すと断食効果が半減し、リバウンドする可能性もあります」。

キヨシさんが自己分析したとおり、週末断食には入念な準備とフォローアップが必要だった。一度は「やっぱり私には断食は向いていませんよ」とさじを投げかけたが、管理栄養士の詳しい説明を聞いて「もう一度トライしてみます」と最後は前向きになった。