営業マンに日々達成度を確認する会社に未来はない!――では、どうすればいいのか?
「お前、今月いくらだ?」

 なぜ、こればかりを聞く上司の下では部下は育たないのか?
 なぜ、部下のモチベーションは下がり、会社を3年以内に辞めてしまうのか?
 そして、その問題の原因は部下にあると上司はなぜ思うのか?

 私は新卒で大手経営コンサルティング会社に入社しました。会議でいつも言われ続けたのがこれでした。確かに、上場企業ですから、株主に対する責任があり、売上目標を達成しなければいけないのは分かります。

 そして、この後は、以下のようなお決まりのパターンが全員分、繰り返されます。

私「今月は●●万円です」
上司「そうか。それじゃあ、予算まであと●●万円足りないな」
私「はい」
上司「じゃあ、どうすんだ!?」
私「頑張ります」
上司「頑張るのは当たり前なんだよ! 具体的にどうやって予算を達成するのか聞いてるんだよ!」
私「すいません……」

 こんなやりとりを日々、繰り返してる会社は非常に多いのではないでしょうか。そして、気づくと社内で交わされる会話のほとんどが「今月いくらだ?」ばかりになっているのです。

 この会話によってモチベーションが上がるのは業績が良い人だけです。しかし、全ての組織は2:8の原則です。2割の成績上位層の人が会社の8割の利益を稼ぎ、残りの8割の人でたった2割の利益を稼いでいるのです。

 ということは8割の人にとって、この会話は苦痛以外の何物でもありません。このような会話を繰り返すことで、業績が上がらない人を早く辞めさせたい会社であれば良いと思います。しかし、そんなことを繰り返していると社員が入っては辞めを繰り返し、気づけばブラック企業とネット上で叩かれることになります。

 そんなブラックなことをしてるつもりは一切ないはずです。良い商品を売って、お客様にも貢献している。でも、あまりにもノルマがきつく、ノルマで社員を縛っていると社員が定着しないし、精神的にも病んでしまう社員が続出するのです。

 もちろん、このような会話を繰り返すことで「こんな嫌な思いは二度としたくない」と奮起して、成績上位層に食い込んでくる負けず嫌いな強者も稀にいます。

 しかし、そんな人は10人中1人もいないのが現実です。残りの人は「自分なりに一生懸命やっているのに、成果が出ない。どうせ頑張っても無駄なんだ」と学習性無力感に陥ってしまうのです。

 では、上司には何が足りなかったのでしょうか? 具体的な指示、アドバイスが足りないのだと私は思います。

 今までの「お前、今月いくらだ?」は勉強でいうとこんな感じです。

塾の先生「お前、今回のテスト何点だった?」
生徒「68点だった」
塾の先生「お前、そんなんでKO大学にいけると思ってんのか!?」
生徒「頑張ります」
塾の先生「頑張りますじゃなくて、具体的にどうするか聞いてるんだよ!」

 これで勉強を頑張って、テストの点が良くなるでしょうか?こんな塾の先生だったら、どう思いますか?「いいから、早く先生の仕事をしろよ!」と思いますよね。それと同じです。つまり、「お前、今月いくらだ?」しか言わない上司は上司としての仕事をしてないのと同じなのです。

 しかし、これと同じようなことを長年、やり続けている上司があまりにも多くないでしょうか? これを繰り返していたら、部下も組織もダメになってしまうと思いませんか? そうです。なってしまうのです。

 まず、上司は「お前、今月いくらだ?」を言わない。ここからはじめてみてほしいと思います。

 別に、「お前、今月いくらだ?」なんてわざわざ聞かなくても、メールで報告してもらえばいいじゃないですか。その結果に対して、どうこう言うことが大事なのではなく、じゃあ、どうしたらその結果を変えることができるのかというプロセスを変えることが大事なのです。