子供のころから大好き。元町で見つけた喫茶店のナポリタンは父から受け継いだ味

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「元町は落ち着きがあって、どこかのんびりした雰囲気。自分たちのペースに合っていて、すごく心地のいい街です」そう話すのは、元町仲通りの入り口に立つ小さなビルの2階で「MELI-MELO」を営む吉田清さん、清美さん夫妻。お酒に合う料理を中心に、枠にとらわれないふたりのさまざまな“好き”をメニューに取り入れている。

写真/「喫茶店のナポリタン」ランチはサラダ、スープ、ドリンク付きで1020円、ディナーは単品で860円◆店主夫妻が大切に受け継ぐ、父が作り続けたナポリタン


その一つが“喫茶店のナポリタン”。実はこれ、清美さんの両親が関内で3年ほど前まで営んでいた喫茶店のメニューだったそう。「子供のころから父が作ってくれるナポリタンが大好きでした。数えきれないくらい食べましたが、いつもおいしかった。その味を主人も気に入ってくれて」と清美さん。約40年続いた喫茶店を継ぐことはできなかったけれど、思い出の味を残していきたい気持ちが強かったという。お父さまにたびたび店に足を運んでもらっては、開店前や休み時間のキッチンでレシピを教わる日々。

具材は、ベーコン、ピーマン、マッシュルーム、タマネギ、そしてミニトマト。たっぷりのバターとケチャップのコクと風味が豊かな昔ながらのナポリタンは、お父さまから清志さん、清美さん夫妻へとバトンタッチされていった。


「義父によると、喫茶店を開く前に修業した、今はなき伊勢佐木町の洋食の名店・ボストングリルのレシピが基本になっているそうです。義父なりに工夫して完成させたナポリタンは、麺のもっちり感が絶妙。最近ではまかないとして毎日のように食べていた義母が、おいしそうに食べてくれているのが嬉しいです」と、清志さん。

洋食の名店から父親の喫茶店へと受け継がれ、今や「MELI-MELO」の看板メニューとなったナポリタン。お父さまが愛用していたフライパンをふるって、吉田夫妻が今日も明日も作り続けるひと皿から、世代を超えてつながる“おいしさ”を味わってみたい。