日本は世界でも屈指の受動喫煙大国(shutterstock.com)

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 年間約6800人が受動喫煙で亡くなり、その半数以上が職場での被害と推定される国はどこか? 世界保健機関(WHO)の受動喫煙対策評価で、ここ数年、最低ランクの常連となっている国はどこか? 

 答えはいずれもJAPAN、それがわが国の恥ずべき現状だ。

 国際オリンピック委員会(IOC)とWHOの合言葉は「タバコのない五輪」であり、近年は会場のみか屋内施設(飲食店等を含む)が全面禁煙の国や都市での開催が慣例化してきているというのに。

 2020年の爐もてなし五輪瓩決まっている東京都の場合、受動喫煙防止対策として国際標準の条例規制を検討したものの、飲食・サービス業界の反発であえなく結論を先送り。日本のタバコ規制は国際的にも遅いとの批判を背に、ようやく政府が新法制定の検討を始めたというのが実状だ。

「徐々に」ではなく「すぐに」でないと禁煙は成功しない

 そんな時代の趨勢を肌身でひしひしと感じ、健康面でも経済面からも「できれば来週から」「いや、来月こそは」「今年中にはぜひ」と自問自答を延ばしながらも節煙・減煙、あるいは期間限定の禁煙にトライしている人も少ないだろう。

 では、禁煙志願派であるあなたが一念発起で試みる際は、「すぐに止める」系か「徐々に止める」系か、どちらだろうか? そして前者・後者の効果差では一体、どちらに軍配があがると思われるだろうか? 興味深い研究報告が公表されたので紹介しておこう。

 報告の筆頭著者である英国・オックスフォード大学博士研究員のNicola Lindson-Hawly氏が以下のように話している。

 「従来の傾向として、禁煙を望む大半の人たちが、徐々に減らすほうが自分に適していると考えてきた。しかし、実際はそんな考えに反して、一度できっぱり止める方法のほうが禁煙成就には優位だという結果が得られた」

 医学誌『Annals of Internal Medicine』のオンライン版(3月14日)に掲載された同研究は、英国在住の成人喫煙者700人弱(平均年齢49歳で9割が白人、その半数が女性)を対象に行なったもの。被験者の平均喫煙数は1日20本だったという。

 まずは無作為に|捻豬押憤貪戮剖惘譴垢訌函砲函↓減煙群(2週間かけて75%減らす組)に振り分けた。禁煙を前に〃欧砲魯縫灰船鵐僖奪舛里澆鮖藩僂気察↓群にはニコチンパッチ+短時間作用型のニコチンガムやトローチを使用させた。

 さらに全被験者に対して、看護師によるカウンセリングを実施。また、禁煙スタート日以降は、短時間で作用するニコチン置換薬を全員に提供する方法が採られた。その4週間後に「本当にタバコを止めているか」を血液検査で確認したところ、〃欧49%なのに対して群は39%。6週間後の継続率は、〃欧22%、群が16%という開きとなった。
喫煙習慣は療法よりも意識変革でしか止められない!?

 この禁煙成功率を見せられて「カウンセリングや薬剤によるサポートがない場合と比べたら、高いほうの数値だと思います」と談話したのはMichael Fiore氏。米国政府の禁煙ガイドライン策定に関与するウィスコンシン大学校の教授だ。

 〃欧里曚Δ優位な結果を得られた理由にFiore氏は、「徐々に減らす型の人たちは困難の壁に屈しやすい傾向があること」を指摘。その上で「医師はまず患者の好きな方法を選ばせてみて、失敗したら別の方法を奨めるのが良いでしょう」と助言を加えた。

 同大学医学部のTimothy B.Baker氏らによる禁煙研究では、12週間に渡る補助療法を(a)張り薬のニコチンパッチのみ群、(b)経口薬のバレニクリンのみ群、(c)ニコチンパッチ+ニコチントローチの併用群、という三派に区分(対象は補助療法未経験者1086人)。

 被験中の全員に6回のカウンセリングも実施した結果、7日間禁煙率の割合は26週後も52週後も(a)(b)(c)間で統計学上特筆すべき大差は認められなかった。同研究者らの見解は「禁煙補助療法は患者本人の好みや体質に合わせて選択すれば良い」との結論だった。

 4年後に東京五輪が控える日本に話を戻そう――。

 日本たばこ産業(JT)では2004年以降、無料の分煙コンサルティング活動を展開し、1万6000件以上の相談を受けてきた。

 一方、分煙意識を持ちながら「具体的な環境整備の方法がよくわからない」という飲食店・宿泊施設業者も少なくないようだ。東京都では飲食店やホテルを対象に分煙環境を整備するための補助金制度もあるのだが......。

 さて、4年間で日本の喫煙事情は大改革されるだろうか!?
(文=編集部)