アフガ二スタン戦では1得点・2アシスト。清武は改めて技術の高さを見せつけた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト編集部)

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 3月24日のアフガニスタン戦では1得点・2アシスト。相手が明らかに格下だったとはいえ、本職のトップ下できっちりと結果を残した清武弘嗣は株を上げた印象がある。26日の練習後のミックスゾーンでは報道陣から「シリア戦でも先発?」という質問が出たが、本人は至って冷静に次のように答えた。

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「(試合当日に)見てもらえば分かると思います(笑)。(アフガニスタン戦では)90分やっていますからね。シリア戦はしっかりとしたメンバーで行くのは最初から分かっていたので。本当に大事な試合ですし、しっかりと良い準備をしてみんなが同じ方向を向いて戦えればと思います。良いゲームで、良い点差で勝てれば嬉しいです」

 声のトーンは明るい。これも、アフガニスタン戦で活躍できたからだろう。その一戦での手応えを、清武はこう話していた。

「自分のところにボールが入って、前を向けたらチャンスだとみんなとも話していたし、実際にボールが入って点が取れたので。ああいう最後のところで、僕や(香川)真司くんが前を向けたら一発でゴールにつながる。それを改めて思いました」

 日本代表のトップ下──。“花形”とも言えるポジションでやる難しさを、清武は感じている。

「代表に来たら難しいことのほうが多い。クラブとは別物なので、考えながらやるケースのほうが多いですよね」

 ただ、アフガニスタン戦では「考えはしましたけど、身体がよく動いた」。

「周りとも連動できましたね。相手は格下でしたけど、久々に代表の試合で楽しくサッカーができた」

 考え過ぎなかったスタンスが好パフォーマンスの要因なのだろう。実際、2トップの岡崎慎司、金崎夢生とは試合前に「あまり話さなかった」。

「話してもピッチに入ったらあまり関係ないですからね。みんなが感覚、本能的にやった結果です。それが良い形になったと思う。綺麗な攻めじゃなくても、ああやってゴールが取れたし、ポンポンつながるシーンもあった。打ち合わせとかしなくても、結果的には良い形でプレーができた。試合をしていくなかで、みんなが感じることが一致した」

 身体が動いたのは、しっかりとした準備ができたからだ。

「1試合目(アフガニスタン戦)は出ると思っていたし、そこまでに良い準備ができたのは確かです。前半が少し難しい展開になるかなというところも含め、自分が考えたとおりでした」
 
 そんな清武は、アフガニスタン戦の“どこに”楽しさを感じたのだろうか。

「新しいフォーメーションでしたし、とても新鮮だった。そこも楽しかった。たくさんボールに触って、たくさん攻撃に絡む。そうした役割を実践できたところが楽しかったです。充実した試合でした。あれを強い相手でもやらないといけないのは、改めて思いました」

 清武のパフォーマンスは、メンバーに左右されない。パートナーを選ばない柔軟性は、このMFの強みのひとつだ。

「誰が入っても打ち合わせはしなかったでしょう。あの試合は、岡ちゃんと夢生くんがどんどんゴール前に行ってくれたので、それに乗せられてという気持ちはあった。あのふたりに引っ張られたというか、そういう部分もありました」

 今の清武は、ハリルホジッチ監督の指図どおりに動いているわけではない。「もちろん、決まりごとは言われますけど」というコメントの後にこう続けた。

「監督も言っています。『私は選手にアイデアを与えているだけで、ピッチで示すのは君たちだ』って。アフガニスタン戦でハセさん(長谷部誠)が前半の途中に円陣を作って話したのもそうですけど、これからもああいうのは必要だと思います」

 ハリルホジッチ監督の就任当初は「忠実にプレーしようと思っていた」清武の思考が、ここにきてだいぶ柔軟になってきた。

「監督の求めることをしつつ、みんなの考え、自分の考えでやるのも必要」

 監督の単なる操り人形にならない。清武は少しずつだが、確実に大人のプレーヤーになっている。

「今大事なのはシリア戦。個人の結果、想いをそこまで出すべきではないと思っています。日本代表が強くなるためには一丸とならないと。バラバラより固まったほうが絶対にいいですからね。自分がやるべきことをやりたいです」

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)