「世界での戦いの準備が始まる試合」(手倉森監督)と位置付けて臨んだメキシコ戦。大きな意味のある勝利を掴んだ。(C) SOCCER DIGEST

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 1月のリオ五輪アジア最終予選(U-23アジア選手権)で優勝したアジア王者のU-23日本代表が、ポルトガル遠征で強豪との2試合を行なう。その初戦、日本は12年ロンドン五輪を制したメキシコを相手に2-1の勝利。手倉森誠監督が「『世界への戦い』が終わり『世界での戦い』の準備が始まる」と、世界での現在地を測る一戦と位置付けて臨んだ試合で、堂々たる結果を示した。
 
 先発は、最終予選メンバー9人に新戦力2人を加えた。12月に負傷離脱したGK中村航輔と初招集のファンウェルメスケルケン際(ドルトレヒト)を起用。そのなかで実力を見せつけたのが常連組だった。
 
 まずは開始2分、中島が電光石火の先制ゴールを奪う。左サイドからボールを受けてペナルティエリアの左角から左足を振り抜く。DFに当たり、ループシュートのような形でゴール右に吸い込まれた。
 
 33分には南野が追加点。自陣のハーフウェーライン手前でボランチの遠藤がボールを奪い、中島、久保を経由して南野へ。走り込みながら右足で冷静にGKの右を射抜いた。前日の練習で確認した3人目の動きで、リードを広げた。
 
 前半は、トラブルに見舞われたとは思えない出来だった。21日の移動便が欠航。フランスで起きた航空管制官のストライキに巻き込まれ、ポルトガルに入るまで2日遅れ、計56時間もかかった。
 
 到着から中1日しかなかったが「少しでも状態を良くしようという意欲が表われた試合」(手倉森監督)と、反対に気合いが入った。南野も「アクシデントがあった割には良かったし、ガンガン、プレッシングをかけていこうと話していた」。序盤から積極的に前で潰し、奪って縦に速く攻める意思統一がされていた。
 
 メキシコ戦の後半は、主力を投入してきたメキシコに押し込まれる時間が増えたが、中村を中心とした粘り強い守備から、途中出場の金森らが鋭いカウンターを展開した。
 
 1月の五輪最終予選は前評判が低かったが、終わってみれば6戦全勝での優勝。手倉森監督は「予選を突破したことで、間違いなく自信を身につけた。得点した前線の選手は同じ絵が描けているし、奪って仕留めに行くサッカーはハリルさんもやりたいだろうな」と満足げ。
 
 U-17代表時代にメキシコと対戦経験があるCBの植田も「当時、かなり強いなと思った。今回は主力が何人かいないとはいえ、やれない相手ではない」と手応えを掴んだ。
 
 5月のトゥーロン国際(フランス)、8月の五輪本大会に向けて、意味のある勝利だ。前回ロンドン五輪の王者に勝ったことで、指揮官は「トゥーロンでは、出場国が本気になってくれるはず」と好影響に期待。「より厳しいチェックとマークを受けることになったと選手に意識させたい」と引き締めた。
 
 あえて「ミスに助けられたことを忘れてはいけない」と課題を挙げ「本大会では(決勝までの)6試合、このレベルの戦いを続けないといけない。精度を上げていかないと」と強調。ここを第一歩とするつもりだ。