内閣府の世論調査で中国に「親近感」がない人が過去最高となった。韓国は「好感度」が若干アップ。「嫌韓」が減った一方で、「嫌中」が増えた背景には、最近の中韓両国と日本との二国間関係がある。資料写真。

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2016年3月25日、日本人の中国に対する見方が厳しくなっている。内閣府の世論調査で中国に「親近感」がない人は過去最高となった。懸案の慰安婦問題が一応決着し、「嫌韓」が減って韓国の「好感度」が、わずかながらアップしたのとは対照的だ。「嫌中」が増えた背景には中国政府へ反発がうかがえ、中韓とも日本との二国間関係がくっきり反映している。

内閣府が12日発表した「外交に関する世論調査」によると、中国に「親しみを感じない」とする回答は「どちらかというと感じない」と合わせて83.2%に上った。中国に「親しみを感じない」と答えた人は尖閣沖漁船衝突事件があった10年に急増し、その後も高水準で推移。今回は過去最高だった前回14年の83.1をわずかに更新した。中国に「親しみを感じる」人は14.8%で、4年連続で20%を下回った。

現在の日中関係については、「良好だと思う」が同4.2ポイント増の9.5%、「良好だと思わない」は同1.2ポイント増の85.7%。いずれも前回より増加した。

一方、韓国に「親しみを感じる」は過去最低だった前回に比べ1.5ポイント増の33.0%。「感じない」「どちらかというと感じない」は1.7ポイント減の計64.7%で、いずれも若干改善した。

日韓関係については、「良好だと思う」は同10.5ポイント増の22.7%と大幅に回復したのに対し、「良好だと思わない」は同4.1ポイント減の73.1%に減少した。調査が行われたのは今年1月7〜17日。昨年12月末の日韓首脳会談が好意的に受け止められたことを示している。

「嫌中」が高水準なのは、最近の日中関係が大きく影響していると容易に推測できる。尖閣諸島では中国の公船が定期的に日本の領海を侵犯。安倍晋三首相と習近平国家主席は会談こそ重ねているものの、習主席は歴史認識などの対日不信感を演出するかのように、あまり笑顔を見せず、ぎくしゃくした雰囲気がつきまとう。日系スーパーが襲われ、街中で日本車が壊された「反日暴動」の記憶も残る。

さらに、中国は南シナ海で広範な領有権を主張して軍事拠点化を着々進め、ベトナムやフィリピンなど周辺諸国とのあつれきを招いている。こうした傍若無人にも見える振る舞いも中国嫌いに拍車を掛けているとみられる。

法務省の最新統計によると、昨年末時点の在日外国人数は223万2189人で、国籍・地域別では中国人が最多の66万5847人。昨年、日本を訪れた中国人観光客は500万人近くにも達する。日常生活で日本人が中国人を見かけたり接したりする場面は少なくない。観光客の「爆買い」は日本経済にも少なからず貢献している。

今回の調査でも今後の日中関係の発展を73.3%が「重要だと思う」と回答。「思わない」の22.5%を大きく上回った。それにもかかわらず、日本の対中感情は冷え込む。歴史的なつながりが深く、さまざまな分野で交流はあるが、体制が異なる隣国。どう向き合うかは、やはり難しい。(編集/日向)