働く世代にありがちな食事の悪習慣 問題点と改善策は?

写真拡大 (全2枚)

執筆:田口絢子(管理栄養士)

自分の役割や目標も見つかり始め、仕事が乗ってくる30代、責任ある立場となって、部下の指導や外での付き合いも増える40代。

現役世代は何かと忙しいものですが、ついつい仕事を優先して、おろそかになりがちなのが「食事」です。

時間やお金にも余裕がないと、お腹さえいっぱいになればいい、という考えで食事を済ませる人もいます。
食事に関心や時間をかけている余裕なんてない、という人も多いかもしれませんが、私たちが今日もこうして活動できるのは、身体を支えている「食」があるからです。

ここでは、働く世代のみなさんにありがちな食生活の問題点について解説。今日は少しだけ立ち止まって、振り返ってみませんか?

忙しい人の食生活の問題点


日々忙しく働く男性に多い食生活には、以下のような特徴があります。何が問題でどのような解決策があるか、みてみましょう。

単品メニューが多い


食事は、食品の品目数が少ないほど栄養素の欠乏が心配されます。
主食(ご飯、パン、めんなどの穀類)だけで構成された食事は、「済ませる」食事には手っ取り早くて便利ですが、
主菜(肉や魚、卵、大豆製品などを使ったおかずの中心となる料理)と副菜(野菜などを使った料理)がそろった定食メニューを選ぶようにすると、多様な食品をバランスよく摂取することができるでしょう。

飲酒量が多い


古くから「酒は百薬の長」などといわれますが、これらはあくまでも適量と適切な飲み方を守った場合ですよね。

ではその量とはどのくらいなのでしょうか?
お酒の適量には個人差がありますが、医学的には、純アルコール量で1日20〜25g程度とされています。とくに肝機能、血圧、脂質などの健診結果が基準よりも高い場合は、意識して適量を心がけましょう。

■適量とされる1日の飲酒量の目安

(全国健康保険協会「お酒と上手に付き合おう」資料より)

夕食が遅い


昼食を12時台に食べて、夕食が21時以降、となる人も多いことでしょう。
これは昼と夜の食事時間が空きすぎていること、就寝までの時間が短いことが問題です。

対策として、夕方18時頃におにぎりやサンドイッチなど炭水化物を食べておき、21時以降(就寝3時間前)はヨーグルトや野菜スープなど、脂質が少なく消化がよいものを摂るとよいでしょう。

朝食抜き


「朝は食べる気がしないから」と、朝食を食べない人は多いようですね。

ですがちょっと待ってください。

朝食を食べなかったら、エネルギー不足のまま午前中を過ごすことになります。特に脳は大量のエネルギーを必要とするので、会議に集中できなかったり仕事でミスしてしまう原因ともなりえます。

まず朝食を食べましょう。
今まで朝食を食べる習慣がなかった人は、
野菜ジュースとバナナとヨーグルト、そんな簡単なものでもいいですから、まずは朝食についての意識を持つ、ということが大事です。

喫煙


食後の一服が欠かせない人、または食事を摂る時間がないので代わりにたばこを吸いに行って紛らわす。
こんな人も多いかもしれませんね。
タバコは食生活とは切っても切れない習慣です。

ニコチンは一種の神経毒であり、神経の活動を低下させるので喫煙者にとっては「やすらぎの一服」ですが、たばこの煙の中には約1500種の科学物質があるといわれ、発がん物質も数十種類確認されています。

喫煙の害については、世界各国で多くの報告があり、日本では2002年に健康増進法が改正されてからは公共の建物の中は禁煙となりました。

厚生労働省国民健康栄養調査によると、平成25年の成人喫煙率は、19.3%で、性別にみると、男性32.2%、女性8.2%であり、男女ともに10年間で減少傾向にあります。喫煙は「百害あって一利なし」。
禁煙を心掛けましょう。

食生活の悪習慣の改善が未来の自分を左右する


その他、生活習慣病につながる食習慣には「運動不足」「塩分の摂りすぎ」「食べ過ぎ」などに注意が必要です。

体力も仕事も充実する活動的な20代〜60代は、ストレスや疲労とも常に戦っているはずです。自分の身体の管理は二の次になりがちですが、良くないと思う習慣は早めに少しづつ改善していきましょう。
食生活の影響は、数年後、数十年後の自分のあり方を左右します。少しずつ初めてみませんか。

●執筆者プロフィール:田口絢子(たぐち・あやこ)
茨城県生まれ。管理栄養士、糖尿病療養指導士、ソーシャルスキル協会認定健康栄養カウンセラー。都内4か所の病院で給食・栄養管理経験を経て独立。栄養相談、献立作成、食と健康に関する記事の執筆、栄養学翻訳などを行っています。