アフガニスタン戦では攻守に奮闘。局面での厳しいチェックや果敢なオーバーラップを披露した。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 日本がアフガニスタンに5-0と勝利し、同じグループEのシリアがホームでカンボジアを6-0で下した結果、日本のグループ2位以内が確定。最終予選へは各組の1位に加え、各組2位の上位4か国が進出するわけだが、日本はシリアとのホーム最終戦を前にこれを確定させ、2次予選突破を決めた。しかし、長友に安堵感はない。
 
「1位通過じゃないと、突破した感覚にはなれないですね。(ホームでシリアと戦う)次の試合が本当に大事になってきますし、1位で通過しないと。僕たちのプライド的にもそこにこだわりたいです」
 
 シリア戦に向けては「相手の分析、昨日のアフガニスタン戦で出た課題を改めて見直す作業はこれからです」。「昨日の課題とは?」と問われた長友は、「監督の分析を待って、今日なのか、明日なのか……」と前置きしたうえで次のように答えた。
 
「昨日初めてやったシステム(4-4-2)で行くのか、これまでやってきたシステム(4-3-3)で行くのかは分かりませんが、いずれにしても機能させないと難しいのかなと。相手が強くなると、なかなか難しい場面もたくさん出てくるのではないかなと思います。そういった意味での修正と、コミュニケーションを取って話し合っていかないといけない。監督ともそうだし、選手たちとも話さないといけない」
 
 仮にアフガニスタン戦で試した2トップを今後も採用する場合、ゴールを奪ううえでクロスは大きなポイントになる。それは長友も承知しているようで、ハーフナーが投入された際のメリットをこう話していた。
 
「(ハーフナーのような)ターゲットがいるだけで全然違いますし、彼の高さは活かしていかないといけない。相手の脅威に間違いなくなるので。その意味で、サイドからのクロスはもっと精度を高めないといけない。ただ、(アフガニスタン戦のように)あれだけペナルティエリアの中に何人もいて、低いボールを蹴ろうとしてもスペースがない状況では正直、難しい部分はありますけど。それでも精度があって、ピンポイントで合わせられれば得点にはつながると思うので、そこは中の選手とコミュニケーションを取りたい」
 
 アフガニスタン戦に臨む前、トップ下が主戦場の清武は2トップについて「前がふたりになれば(1トップの時よりも)ターゲットが増えるので、(トップ下の)自分のところにボールがこぼれやすい。そうなると、サポートしやすいですよね。やりやすさはあります」と話していたが、長友も同じような感覚を持っていた。
 
「クロスを上げる時、中に必ず2トップはいるので、やりやすさは間違いなくあります。セカンド(2列目)にも昨日のアフガニスタン戦なら、キヨ(清武)、(柏木)陽介、あと(原口)元気か。3人とも中に入っていけるので、(クロスを上げる側の)選択肢は増えるのかなと思いますね。ただ、相手が全員引いている状況ではスペースがないというのが正直なところですけど」
 
 さて、シリア戦(3月29日)である。ホームゲームとはいえ、長友に油断の二文字はない。
 
「アウェーで戦った試合では前半、シリアが前掛かりに来たことで僕らは難しい状況に陥った。あそこで、1点、2点取られたりすると、ゲームは難しくなった。シリアは最終予選に上がれるだけの力を持ったチームだという印象を抱きましたね、アウェーでは。ここでしっかり叩いておかないと、最終予選でまた日本と当たる可能性がある。だから、もう日本とは当たりたくない、勝負したくないと思わせるような、圧倒的な試合をしないといけないと個人的には考えています。
 
 仮に今回、シリアが日本と良い勝負をして自信を付けてしまったら、『相手が日本ならやれるぞ』というふうになってしまう。その自信は大きなエネルギーになるので、やはりここでシリアを叩かないといけない」
 
 2014年のブラジル・ワールドカップで苦い経験をしているからこそ、ちょっとした隙も見せない。
 
 ブラジルで負った傷は、ワールドカップ予選で勝利を重ねることで少しずつ塞いでいく──。
 
 長友の鋭い眼光からは、そんな決意が見て取れた。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)