鮮やかなターンから股抜きでDFをかわしてのゴール。先制点の場面は、岡崎の勢いを感じるパフォーマンスだった。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 ロシア・ワールドカップのアジア2次予選、アフガニスタンとの一戦で、日本は5-0の大勝を収めた。どんな試合でも5点を奪うというのは大したもの。この結果に対して、僕の評価として高得点をつけたいし、日本は質の高いパフォーマンスを見せてくれた。やはり、このレベルの相手だったら常に“格の違い”を感じさせてほしいよ。
 
 チームとしては、ゴールの奪い方、時間帯が良かった。前半を1-0で折り返し、後半はゴールラッシュ。奪った形も、中央、サイド、セットプレーと、多彩なバリエーションでゴールネットを揺らした。本田、香川といった主力をベンチに置きながら、日本はアフガニスタンとの力の差を、あらゆる面で示したのだから、まさに完勝と呼ぶにふさわしいんじゃないかな。
 
 なかでも別格の存在感を示していたのが、FWの岡崎慎司だ。おそらくこの試合を見た誰もが、彼のパフォーマンスの凄みに驚いたはずだ。あのゴールシーンひとつ取っても、岡崎の好調を証明しているよね。
 
 くさびのボールを受けるタイミングや場所はさすがだし、相手DFを自らの動きで引き寄せて、反転から相手DFをまた抜き。さらにGKの動きを見て落ち着いてシュートを決めた。まさにイメージ通りのきれいなゴールだった。
 
 ほとんどの時間帯において、最もプレッシャーの厳しいペナルティエリアで、常に相手DFを動かすような“ポジション取り”をしていたところからも今の好調ぶりを感じる。岡崎は相手のプレッシャーを楽しめているようにも見える。相手のギャップを見つけてはスペースを突いていくプレーは、むしろ香川のお家芸だったはずなんだけどね。
 
 そして、もうひとつの収穫はハーフナー・マイクの復帰だ。
 
 個人的にはオランダでハーフナーの試合を見る機会が多かったから、彼の調子の良さは感じていた。ヘディングでも足もとでも前線の起点となれる。決して高さだけのストライカーではない。良質なクロスさえ入れば、確実にミートするシュート技術は、いまやオランダ国内でもトップレベルの域にある。
 
 所属するデン・ハーグというクラブは、アヤックスやフェイエノールト、PSVといった国内のビッグクラブと比べたら、ゴールチャンスは決して多くない。そんななかで2試合に1ゴールのペースで得点を量産していて現在13ゴール。岡崎がマインツでマークした欧州リーグでの日本人シーズン最多ゴールの記録を塗り替えるのも時間の問題だろう。
 
 A代表復帰戦となったアフガニスタン戦では73分からピッチに立った。味方のクロスの質があまり良くなかったこともあり、ゴールこそ奪えなかったけど、そのなかでも少ないチャンスに絡み1アシストをマークしたあたりは、ストライカーとしての意地を見せたと言える。
 
 日本代表にとっても、攻撃の選択肢が多ければ多いほど、今後の戦いを優位に進められるわけだから、ひとつのオプションとしてハーフナーは、代表チームでもこれから存在感を高めていくだろう。
 
 こうして見ると、選手は所属クラブでのパフォーマンスが、そのまま代表チームにも反映している印象を受けるよね。トップ下の役割を果たした清武も1得点・2アシストと活躍したし、原口や金崎のスピード感溢れるプレーも指揮官に好印象を与えたはずだ。いま挙げた選手たちはリーグでもやはり好調を維持している。
 
 そして現在、日本代表の攻撃をリードしているのは誰が見ても岡崎だ。プレミアリーグで見せている勢いそのままに、代表チームでもそのパフォーマンスは、飛び抜けていた。
 
 いずれにしてもアフガニスタン戦は、攻撃陣の面々が、日本代表の序列を崩すのに十分なインパクトを残したんじゃないかな。シリア戦では、香川の奮起を含め、本田、宇佐美の攻撃の主軸を担う3人のパフォーマンスに注目したいね。