遂に開幕するプロ野球。昨季、混セを制したヤクルトの連覇への鍵とは? そして、新指揮官を迎えた巨人、阪神、DeNAのチーム状態は? TBSラジオ・戸崎貴広アナ、文化放送・松島茂アナ、ニッポン放送・煙山光紀アナのお三方に、今年のセ・リーグ注目点を語っていただきます(※パ・リーグ編はこちら)。


読売ジャイアンツ×東京ヤクルトスワローズ(@東京ドーム)


─── 去年の王者ヤクルトに新生巨人が挑みます。
煙山:僕はニッポン放送のヤクルト担当で、去年は優勝予想を当てたんです! まあ、内心は阪神だと思っていたんですが(笑)。それでも今年は……結構、大変かな、と。やっぱりバーネットが抜けたことが大きい。高津コーチも手探りでやっている、と言っていました。新しいリリーフ陣がよっぽどうまく機能しないと、去年のような7・8・9回の安定感は厳しいのかなと思っています。
松島:そうですね。確かに去年は6回以降盤石な印象がありました。
煙山:バーネットは、優勝決定試合以外でセーブ失敗がなかったんです。そう考えると、バーネットがいたとしても、去年と同じピッチングを求めるのはかなり厳しい注文だったとは思うんですけど。あとは、バレンティンが開幕に間に合わないことも痛いですね。
戸崎:バレンティンはいつまで?
煙山:脇腹だから、下手をすると4月一杯とか。彼は「痛くない」と言っているのを周りが止めているみたいです。再発だけは防ぎたいので。
戸崎:去年は結局、バレンティンはホームラン1本しか打ってないのに、チームは優勝しちゃいました。
煙山:去年の打線はちょっと出来過ぎ。そりゃ、首位打者(川端)と打点王(畠山)と本塁打王(山田)が同時に出ちゃうというのは史上初のことなんで、2年連続でそうはうまくいかないだろうと。それに、去年のヤクルトは打って勝った印象がありますが、実際には投手陣が良かったわけです。月別に見ると、打てない時は防御率がリーグトップ。特に後ろが安定していました。
戸崎:今年のクローザーは?
煙山:今のところオンドルセク。ただ、オープン戦では2試合連続で打たれていました。新外国人のルーキとペレスも、そんなにビックリするボールはないんですよ。久古健太郎も最近打たれているし。だから、後ろは苦労すると思いますよ。そのディフェンスでのマイナス要素をバレンティンのバットでカバーしないと。それと去年の終盤、張り子の虎じゃないですが、バレンティンが復帰したことで打線に恐怖感が生まれて、雄平が甦ったんですよ。その意味でも、バレンティンがキープレイヤーだと思います。
松島:ヤクルトに関しては、山田哲人がトリプルスリーの翌年、どうなるのか? オープン戦では最後の方でぐっと上げてきた印象はありますけども。
戸崎:でも、去年以上の数字はなかなか難しいよね。
煙山:おどけながらではありますけども、「注目しないでください」と言っていました。

─── 巨人はいかがでしょうか?
戸崎:TBSは今年、巨人戦中継が増えることになっておりまして期待をしていたんですが、頼みの綱の阿部慎之助が2軍スタート。故障者も続々出てしまい、4番ギャレットがもうひとつ。もしかするとBクラスも……ということで、開幕3連戦は大事ですね。開幕投手の菅野智之は問題なくやるんでしょうけども、明るい材料が本当にないですよねぇ。1年生・重信慎之介の足が一軍でどれだけ通用するのか?
煙山:岡本和真も2軍スタートですからね。結局、外国人が入ったくらいで、世代交代ができていないんですよね。顔ぶれは去年と変わらずで。
戸崎:むしろ、マイコラスが右肩を痛めていなくなったので、戦力はかなりダウンです。特に投手陣は杉内も大竹も不在で、一連の問題で投手陣がどんどん抜けてしまって……。
松島:田口麗斗あたりが救世主にはならないですかね?
戸崎:ねぇ。開幕3連戦でいきなり出番があるかもしれない。ドラフト1位の桜井俊貴がオープン戦でいいピッチングをして、開幕3戦目もあるぞ、と。
煙山:その後、「30日ほぼ濃厚」に変わったんですよ。僕は30日の試合が実況担当なんですけども、え、3戦目じゃなかったの!? と慌てているところです(笑)。いずれにせよ、巨人にとっては開幕カードが重要になりそうです。ここで勢いに乗れれば……でも、打線がなぁ。打ちそうに見えます? 今年の巨人。
戸崎:打ちそうに見えないですね。坂本も腰が痛いみたいで、オープン戦最後も代打でしたから。
松島:怖さがないですよね。
煙山:そんな巨人で楽しみなのは、高橋由伸監督がどんな野球をするのか。由伸監督って、あまり「こうします、ああします」と語る監督じゃないので、フタを開けてみて、「あ、こういう野球をするんだ」という驚きがあるかもしれない。
戸崎:本人は、「特色がないのが自分の特徴です」と言っていました。慶応大OB、元阪神の安藤統男さんに言わせると、自由にやらせるんじゃないの?と。
煙山:年齢も近いし、「由伸さんのためにやってやろう!」と選手たちが思えれば、大きいんじゃないかな。いろんなしがらみで監督をやることになってしまったわけだし。
戸崎:ちょっと応援したいですよね。いろんなものを背負ってしまってね。


阪神タイガース×中日ドラゴンズ(@京セラドーム大阪)


─── 金本新監督で注目度が高い阪神はいかがでしょう?
戸崎:宜野座での楽天との試合、4ホーマー、12安打12点と快勝した試合を見てきました。3年目の横田慎太郎と陽川尚将が活躍していましたが、試合以上にインパクトがあったのが試合前の楽天シートノック。金本監督が「お前らぁ、相手のノックしっかり見とけ!」と。それでもう、西岡剛なんかも背筋をピンと伸ばして見てましたから。今年の阪神はちょっと違うな、と感じました。当初は、巨人優勝、2位阪神かと思っていたんですけど、阪神が抜けてくるかなぁという期待があります。
松島:私も阪神を優勝予想にしています。オープン戦も首位でした。
煙山:オープン戦首位のチームは3年連続で優勝してるんだよね(※2013年巨人、2014年、2015年ソフトバンク)。
戸崎:金本監督は厳しいんですよ。まず鳥谷を「お前はこんなんじゃダメだ。もっと気持ちを出してしっかりやれ」と叱った。ゴメスも別人のように身体が細くなって来日しましたから。松島アナの優勝予想の理由は?
松島:新監督の方針って、浸透するのに時間がかかるのが普通だと思うんですけども、金本イズムはもうスッと浸透したかなと。それは金本さんが現役時代、他人に対しても自分に対して厳しく律してやってきたからこその成果というか。だから、監督になってからも「この人の厳しさは本物なんだ」と選手が皆、素直に思えたから、しっかりついてきているのかな、と。
戸崎:若い選手が自打球を足に当てても、「どうだ? やれるのか?」と聞いてやらせた、というのがニュースになっていました。普通だったら、無理するな、という場面ですからね。
煙山:香田投手コーチに話を聞いたんですけども、「よくあの練習量に耐えた」と。野手も投手も、相当な負荷をかけてやってきたみたいなんですよね。それでもケガ人はほとんど出ず、身体も大きくなってきているので楽しみ、と言っていました。
戸崎:横田とか、ドラフト1位の高山俊とか、身体の大きな選手が出てきましたよね。阪神のイメージがいい方に変わったかな、と。マートンと呉昇桓の抜けた穴が不安視されてましたけども、問題なさそうですよね。
煙山:去年から落ちているチームが多いなかで、阪神だけはプラス材料が多いんです。名前の出た高山に横田。西岡だって引き締める人がいたら嫌なバッターだし。ピッチャーでも藤川球児。あと、新外国人のマテオもドリスもかなりいいみたいなんですよね。特にマテオは、伊藤智仁さんばりの横曲がりの強烈なスライダーを投げると。彼らが中継ぎ、抑えで活躍するようだと阪神は強いですよ。甲子園も相当盛りあがるでしょう。
戸崎:オープン戦であんなに入ったの、久しぶりに見ました。
煙山:あるスポーツ紙は阪神担当記者の人数が7人、と言っていました。普通、巨人だって5人いるか。2球団掛け持ち、なんてことも珍しくない中で、この注目度は群を抜いています。阪神ド本命だと思います。

─── 対する中日は?
戸崎:正直なところ、セ・リーグでは一番大変かな、と感じています。でも、大野雄大がキャンプで抜群に良かったと。大野でいくつ貯金を作れるか!?  あとは新外国人のビシエドの評価がとっても高いですね。
煙山:好材料としては、吉見一起がオープン戦に間に合いましたね。問題は、福谷浩司がどれくらい抑えでやれるか!? 去年、最後はボロボロの状態でしたから。
戸崎:浅尾拓也が右肩を痛めちゃったからね。
煙山:投手陣もそうですが、キャッチャーをどうするのか?
戸崎:そうですね。1年生の木下拓哉がやるのか? 杉山翔大か?
松島:野手も顔ぶれは結構変わってきましたね。
煙山:ルナも広島に移籍しましたから。
戸崎:普通に考えると、中日がかなり出遅れるんじゃないか、という見方が多いんですけども、評論家の江本孟紀さんは優勝候補に挙げていました。チーム防御率とチームバッティングの結果を見ると侮れないよ、と。私も開幕投手候補の大野君には期待しています。
煙山:私も、セのダークホースは中日なんじゃないか、と見ています。


広島東洋カープ×横浜DeNAベイスターズ(@マツダスタジアム)


戸崎:カープはオープン戦良かったですよね。でも、マエケンが抜け、大瀬良も故障しちゃって。
煙山:マエケン不在はでかいですよね。いたら優勝候補ですよ。
松島:ダルビッシュがいなくなった翌年の日本ハムにおける吉川光夫みたいな投手は出てこないですかね?
戸崎:ドラ1の岡田明丈とかかね。
煙山:あとはドラフト2位の横山弘樹あたりか。でも、今年は福井優也がいいんですよ。
戸崎:福井、いいですよね。あと、1年生の仲尾次オスカルもかなりいい、と聞いています。
煙山:抑えの中崎翔太は、去年の頭があまり良くなくて評価を落としてますけど、実は6月以降は結構抑えてるんですよ。中崎
崎がちゃんとやれる、という前提に立つと……やっぱり先発なんですかね。
戸崎:そう。ジョンソンが15勝くらいすると、CS争いには入ってきますよね。
煙山:先発陣はジョンソン、黒田博樹、福井。オープン戦は今ひとつだった野村祐輔。あとは、新人の岡田、横山?
松島:未知数の部分が大きいですよね。
煙山:打つ方はルナが入って。
戸崎:ルナが入ったのは大きいねぇ。
煙山:あとは、去年ケガでいなかったエルドレッドが4番にしっかり座ってくれれば。丸佳浩も菊池涼介も去年みたいなことはないだろう、と。
松島:そうすると、2、3、4、5番が固まることになりますよね。
戸崎:4番がハマるっていうのは大きいですよね。広島は3位争い当落線上でしょう。

─── 一方、去年最下位のDeNAは?
煙山:DeNAが難しいんだよなぁ……どうですか、DeNA。
戸崎:本当に読めないですよね。僕は、かき回すのはDeNAだと思っています。6位もあるけど3位もあるかなと。でも、オープン戦もよく負けたなぁ(笑)。
煙山:そうですよね。3も6もありえますよね。ラミレス監督が配球サインを出す、というのがハマるかどうかですよね。
戸崎:ポイントポイントみたいですよ。最終的には出したくないんだけど、やっぱり、大事なところでは僕がやる、という言い方をしていました。ただ、筒香嘉智が下半身を痛めちゃったのと、2番の梶谷隆幸の故障が大きいですね。梶谷は開幕に間に合いそう、とは言ってましたけども。
煙山:進藤ヘッドコーチは「できれば急ぎたくない」と言ってましたね。そうなってくると、打線は新外国人のロマックがダメだと、どうするの!? という感じです。
戸崎:まあ、ロペスがいるからね。
煙山:3番ロペス、4番筒香、5がロマックでしょ。倉本寿彦が6番で、7番8番が柴田竜拓、戸柱恭孝の新人コンビか。ロマック、打たなさそうな雰囲気が漂っていて、でも意外に打ちそうな雰囲気もあります。彼次第で打線の様相は変わりそうです。
松島:オープン戦は打率1割台ですね。
戸崎:筒香はウィンターリーグに出て雰囲気が変わりましたね。すごく良くなった。
煙山:足の上げ方、小さくしたんですか?
戸崎:小さくしましたね。向こうはみんなボールが速いから、そうしないと打てなかったみたいです。松井秀喜的な雰囲気が出てきたから。彼が元気だと面白いですけどね。
煙山:でも、ラミレス監督の「ベンチから配球サイン」という方針は面白いなと思っていて。DeNA戦を見ていると、勝負どころで「えー!」というボールだったり、もしくは、ずーっとアウトコースばっかり投げて四球を出しちゃった、みたい逃げの姿勢がすごく多かったイメージがあるんです。ただ、オープン戦だからインコースを攻めることができてましたが、本番で何回か痛い目にあった後でも行けるものなのか?
戸崎:僕がラミレス監督に期待しているのは、ヤクルト出身っていうことなんですよ。ずっと考える野球をやってきた人だし、一緒にやってきた人がみんな「細かいよ〜」と評しているんです。去年のヤクルトにしても、結果的にはタイトルホルダーが出たことが目立ちましたけど、そうじゃなくて、進塁の仕方が上手いチームだからこそ強かったと思っています。
煙山:横浜はそこがすごく苦手な球団ですからね。
戸崎:そうそう。だから、これまでできなかったことを、どういう風に実践でやらせるのか? 
煙山:先発は、去年誰も10勝してないんですけど、名前で見るといるんですよね。
戸崎:いるいる。クローザーには山崎康晃がいるわけだし。そこに、ドラフト1位の今永昇太が加わってどうなるか!? 彼が頑張って7、8勝してくれるとベイスターズは面白いなぁと思っています。とにかく、12球団でまだCSに出ていないのはベイスターズだけですからね。
煙山:オープン戦で大入り袋が出るくらいだから、ベイスターズがさらに盛り上がると、プロ野球全体も盛り上がると思うので、確かに期待したいですよね。


TBSラジオ
「エキサイトベースボールスペシャル セ・リーグ開幕戦 巨人vsヤクルト」
18時00分〜 解説:佐々木主浩/実況:初田啓介

文化放送
「文化放送スポーツスペシャル プロ野球パシフィックリーグ2016開幕戦 埼玉西武×オリックス」
17時50分〜 解説:山崎裕之/実況:松島茂

ニッポン放送
「ショウアップナイタースペシャル セ・リーグ開幕戦 巨人×ヤクルト」
17時30分〜 解説:江本孟紀/実況:松本秀夫

(パ・リーグ編はこちら)
(オグマナオト)