映画「あまくない砂糖の話」(アンプラグド配給の公式サイトより)

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砂糖の摂(と)り過ぎがどれだけ体に良くないか、監督自ら身をもって実験したドキュメンタリー映画が、2016年3月19日から東京渋谷の映画館イメージフォーラムで公開された。4月以降全国で順次公開される。

オーストラリアの俳優兼監督のディモン・ガモー氏が制作した「あまくない砂糖の話」(原題That Sugar Film)だ。本国ではドキュメンタリー映画史上で最高の観客動員を記録したという。

砂糖を1日スプーン40杯食べ続けると

同映画の公式サイトによると、ガモー監督は、恋人の妊娠で生まれてくる子どもを元気に育てたいと願っていたところ、ある健康調査でオーストラリア人が1日にスプーン40杯分(160グラム)もの砂糖を摂っていると知り、衝撃を受けたという。世界保健機関(WHO)が推奨する1日の砂糖の摂取量は25グラムだ。ガモー監督が調べると、砂糖は低脂肪食品など健康に良いとされる食品にもたくさん含まれており、また、人体には糖分は不可欠とする説もあり、健康に良いのか悪いのかはっきりしない。

そこで、自分の体にどんな影響が出るか、「人体実験」を敢行して確かめることにした。実験の設定は次のとおりだ。

(1)1日にティーンスプーン40杯分(160グラム)の砂糖を摂る。
(2)ただし、ソフトドリンク、アイスクリーム、お菓子など糖分が過剰に入っているとわかっている食品は避ける。
(3)低脂肪ヨーグルトや穀物バー、フルーツジュースなど、一般的には健康的と思われているが「実は砂糖が多い食品」から(1)の砂糖の量を摂る。
(4)食べるものは必ず「低脂肪」をうたう食品を選ぶ。
(5)1日の総摂取カロリーは、オーストラリア人男性の平均である2300キロカロリーを維持する。
(6)ジョギングや筋トレなどの運動習慣は続ける。

つまり、スーパーなどで売っている「健康的な食品」だけで、オーストラリア人の平均的な砂糖摂取量(スプーン40杯分)を再現したわけだ。そして食べる食品選びの段階から栄養士、医師、食の専門家らがスタッフとして参加し、ガモー監督の体調の変化をモニタリングした。

60日後、脂肪肝になり糖尿病の1歩手前に

60日間、「実験」を続けた結果、体重が8.5キロ増え、胸囲も10センチ増加、中性脂肪が1.5倍になり、脂肪肝になった。さらに糖尿病の初期症状が現れた。また、気分の落ち込みやヤル気喪失などの精神的症状がひどくなった。甘い物を食べたくなる中毒症状が抑えられなくなった。

マクドナルドのハンバーガーだけを30日間食べて話題になった米映画「スーパーサイズ・ミー」は、ファストフードの不健康さを告発したが、今回の映画は「身近な食品」にひそむ糖分の問題を浮き彫りにしている。