東口順昭(撮影:岸本勉/ PICSPORT)

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試合後、ミックスゾーンに現れた東口順昭は疲れた顔をしていた。そして開口一番「今日は僕に聞くことなんかあります?」と逆質問してくる。

この日、アフガニスタンが放ったシュートは1本だけ。前半、CKから合わせられたが日本守備陣がしっかりコースを切っていたため、ゴールに飛ぶことはなかった。

そういう盤石の試合展開は、日本にとってよかったものの、東口には複雑だったに違いない。試合前々日、アフガニスタン戦に出場しても見せ場はあまりないかもしれないと聞かれて、「そうなんですよ」とちょっと困ったような顔をしていたのだ。

だが、それでも東口は「少なからずピンチはあると思うので、そこでしっかり自分の仕事ができるように、より集中力を持ってやらないと難しい相手かなと思っています」「ラッキーパンチには気を付けたいと思います」「クロスボールやったり、セットプレーには積極的にチャレンジしたいと思います」と試合に思いを巡らせていた。

それが想像以上に一方的なゲームとなったため、がっかりして疲れてしまったのか。ところがそうではないようだった。

「でも、すごく難しいゲームでした。集中力を保たなければいけないから」

もし失点してしまったら、予選初失点となる。チャンスをもらった選手が、たとえ味方の大きなミスがあったにしてもチームの進路を汚してしまったら、もう機会が与えられないかもしれない。東口は「緊張はほどよくありました」と言うが、シュートが何度も飛んでくる普段の試合とは違う精神状態で挑まねばならなかったはずだ。

しかもボールはなかなか来ない。「コーナーはもう少し高いボールが来たら自分で憩うこと思ったんですけど。もう少しボールに触りたかったですね」と東口は残念がる。

試合前、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督からは「無失点で、しっかり試合を終わってくれ」と言われたらしい。そして試合後には「よかったぞと言ってもらいました」ということだった。東口は、とりあえずリストには残ったということだろう。2015年8月の中国戦に出て以来、7カ月ぶりに廻ってきたチャンスを無事に終えることができたことで、東口には安堵と、そして疲労がやってきたのではないだろうか。

もっとも、川島永嗣が代表に復帰し、川島不在のときに西川周作が無失点を続けて実績をつくった。東口はまだ競争のスタートラインに付いたに過ぎない。

東口は他のメンバーと比べて自分に何が足りないかという部分をこう分析している。

「もっとゴツくなること。見た目でもっと威圧できるように。林(彰洋)もそうやし、(川島)永嗣さんも(西川)周作もそうやけど、見た目がまずゴツイから威圧感があると思うし、それは僕が一番劣っていることだと思うから」

――他の選手はもっとゴツイ顔をしてるってこと?

そう聞くと、東口は「いやいやいや〜」と、やっと疲れた顔から笑顔になった。

【日本蹴球合同会社/森雅史】