中国メディアの今日頭条はこのほど、日本のすし職人に注目、この職人の経験や仕事ぶりから「日本人の美食に対する哲学」を知ることができると紹介している。

 記事が紹介しているのは、ニューヨークにある店で寿司を握るすし職人だ。この店はニューヨーク・タイムズから4つ星の最高評価を受けているが、4つ星を獲得した店はニューヨークにわずか6店しかない。世界中の美食が集まるニューヨークにおいて、舌が肥えたニューヨーカーに非常に高く評価されていることがわかる。

 この職人は日本に住んでいた際、すしの神様とも称される人物のもとで長年修業した経験があると記事は紹介、とても厳しい修行であるため弟子入りしたほとんどの人がやめていったが、この職人は最後までやめなかったと説明。そして修行のエピソードの1つを紹介している。

 それは「玉子焼」にまつわるエピソードだ。弟子入りして最初に教えられるのは熱いおしぼりを素手で絞ること。それができて初めて魚を扱うことを許される。そしてその後なんと10年経過した後に初めて玉子焼を作ることが許されると記事は紹介した。
 
 この職人はだいぶ前から家で玉子焼きの練習しており、自分としては問題ないと感じていたというが、いざお店で焼くと師匠は「使えない」としか言わない。数カ月にわたって失敗を重ねながら腕を上げ、ようやく師匠は「これでいい」と言ってくれた。それ以降、師匠から「職人さん」と呼ばれるようになったことが、この職人にとっては心の底からうれしく感じたことだったと記事は紹介している。

 玉子焼は普通、家庭で簡単に作ることのできる料理だ。しかしこの職人は弟子入りして10年後に初めてお店で玉子焼を作ることを許され、たくさんの失敗を重ねて初めて合格点をもらうことができた。すしの神様が玉子焼というちっぽけに思える料理にもこれほどまでの敬意、またこれほどまでに味のこだわりを示すのであれば、最も大切な寿司そのものに対する敬意や味のこだわりは一体どれほどだろうか。

 すしの神様のもとで修業した職人も間違いなくこの「美食哲学」を受け継いでいる。記事は彼らから感じ取った美食哲学を説明するために「一生涯かけて絶えず向上するために日々努力する生き方」と表現。そしてこの美食哲学はニューヨークの店舗ですしを握るこの職人の仕事ぶりにもはっきり表れていると記事は論じている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)