その2人を背後からサポートした清武の気の利いたパス出し、緩急の変化をつけたゲームメイクも非常に大きかった。「やっぱり2トップが前にいることで、オカちゃんと夢生君のどっちかが下がってきてくれて、僕が空いた。後半はそれがすごくよくできていた」と本人も嬉しそうにコメントしていた。長友も「個人的にはキヨがすごく良かったと思う。やっぱり彼がいたからリズムが作れていたと思うし、あの2人が生きたのもキヨの技術、パスの精度があったから。それがかなり利いていた」と短期間で急成長を遂げた後輩を絶賛した。

 実はこの3人はオフ・ザ・ピッチでも息が合っていて、食事の時もよくコミュニケーションを採っているようだ。清武と金崎は昨年12月に古巣・大分トリニータが参戦したJ2・J3入替戦をわざわざ大分銀行ドームまで一緒に見に行ったほどの仲。岡崎と金崎は前述の通り、高校時代に同じ釜の飯を食った間柄で、岡崎と清武もともにドイツでプレーしていたことでかなり親しいという。そんなピッチ外の部分も、この日の好パフォーマンスにつながったのかもしれない。

 これまで本田圭佑(ミラン)や香川真司(ドルトムント)に依存しがちだった日本の攻撃陣だが、こうした新たな組み合わせがチーム活性化につながるのは間違いない。この試合で最終予選進出が決まったが、次の29日のシリア戦(埼玉)は2次予選のクライマックス。そこに向けて、金崎や清武がさらにチームを盛り上げてくれれば最高だ。

文=元川悦子