2トップに手応えを感じた岡崎。所属するレスターと同様に1.5列目の役割を担い、縦横無尽にピッチを走り回った。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 泥臭いプレーを身上とする岡崎慎司が、“らしくない”プレーを見せた。

 0-0で迎えた43分、清武弘嗣の縦パスを受けた岡崎は、右足でトラップすると同時に身体を巧みに反転させて前を向くと、ボール奪取を図った相手を股抜きでかわし、GKの位置を冷静に見極めて左足で流し込んだ。

【マッチレポート】日本 5-0 アフガニスタン

 
 華麗と呼ぶにふさわしい一連のプレーは、イングランドのプレミアリーグで練磨を続けた成果だろう。安定したポストプレーで攻撃の起点になったかと思えば、機を見てゴール前に顔を出し、シュート体勢を常に確保。金崎夢生をはじめ、他の選手が冷静に岡崎の動きを感じていれば、2点目を決めていた可能性は高い。

 もっとも、極上の一撃を叩き込んだ岡崎だが、試合後には「シュートはあれだけしか打っていないので、その点に関して言えば物足りなさがある」と反省を口にしている。

 背番号9が饒舌に語ったのは、芸術的なゴールではなく、2トップについてだ。

「2トップをやってみたいと思っていたし、その喜びがあった。みんなの距離が近くて、楽しみもあった。新鮮な気持ちで2トップに取り組んだし、今後もダイナミックにやれる予感を感じた」

 初めて2トップを組んだ金崎との補完性は極めて良好だ。ともにピッチを縦横無尽に動き回るタイプでありながら、金崎が前線で動き回れば、岡崎は所属するレスターと同様、1.5列目の役割を担った。「2トップになると、監督から『下がってくるな』とうるさく言われないし、誰かひとりが前に残っていればよくて、今日はムウが真ん中にいた」と振り返る。

「キヨと俺のふたりが2シャドーのような形になった時は、良い形ができた」と一定の手応えを掴んでおり、岡崎と金崎の2トップは今後もテストする価値がありそうだ。
 岡崎はプレミアリーグで首位を走るレスターの主力として活躍しており、その“眼”も肥えたようだ。「引いている相手に対して、前に張っているだけでは点を取れない」と語り、さらにマンチェスター・シティやアーセナル、アグエロ(マンチェスター・C/アルゼンチン代表/FW)を例に挙げた。

「マンチェスター・シティやアーセナルなど、強いチームを見て参考になるシーンがいっぱいあった。アグエロでも、そんなに前に張りすぎない。誰かが中盤に降りてこないと、やっぱり(ボールを)引き出せない。サイドに流れるなと監督から言われるけど、サイドに流れてCBをひとり引き出し、そのスペースに誰かが入ればいい」

 そのうえで、日本に必要なのは『流動性』と強調する。「結局、“流動性”が日本に必要で、僕はその役割を(レスターで)やっていて、今日は上手く出せた」と、プレミアでの経験を徐々に還元できているようだ。

 アフガニスタン戦で、日本代表の得点数を「48」に伸ばし、さらに代表キャップ数は中村俊輔を追い抜き「99」に到達。「次で100試合になるし、あと2ゴールで50ゴールになるので達成したいですね」と、さらに先を見据える。

 世界最高峰のプレミアリーグで輝きを放つ岡崎は、今や本田圭佑や香川真司に代わる“日本の新たな象徴”と言っても過言ではない。貪欲に吸収し続ける29歳のストライカーは、いまだ進化の途上にあるのだ。

■日本代表/歴代得点ランキング
1 釜本邦茂 75
2 三浦知良 55
3 岡崎慎司 48
4 原 博実 37
5 本田圭佑 34
6 高木琢也 27
7 木村和司 26
8 中村俊輔 24
9 高原直泰 23
9 香川真司 23

■日本代表/通算出場ランキング
1 遠藤保仁 152
2 井原正巳 122
3 川口能活 116
4 中澤佑二 110
5 岡崎慎司 99
6 中村俊輔 98
7 長谷部誠 96
8 三浦知良 89
9 今野泰幸 87
9 長友佑都 87

取材・文:大木 勇(サッカーダイジェスト編集部)