クロスバー直撃のシュートを立ち上がりに放つ。しかし、その後は全体のバランスを取って、チームの勝利を支えた。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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「どこででもできる力を見せたい」
 
 ワールドカップ・アジア2次予選のアフガニスタン戦、原口元気はダイヤモンド型にした日本の中盤の右サイドに入って、先発フル出場した。

【マッチレポート】日本 5-0 アフガニスタン

 
 初めての組み合わせとあって手探りでプレーするなか、目立ったのは、持ち味の積極的なドリブル突破ではなく、スペースを的確に埋めて、チームの潤滑油となる献身的な働きぶりだった。
 
「役割を完璧にこなすのは難しかった。ただ求められていた激しく守備に行くところ、セカンドボールを拾ってミドルを打つところはできた。良い形でアーリークロスも入れられたので、ある程度はアピールできたかなと思います。

 性格的にはゴール前へ入って行きたかったんですが、中央にしっかり味方が3人入っていたので、そこに突っ込んでいくよりは、こぼれ球を拾うほうが効率的だと考えました」
 
 11分にはペナルティエリアの外でボールを拾うと躊躇わずに左足を振り抜き、バーを直撃する強烈なシュートを放った。しかし、その後は言葉どおり、守備やこぼれ球への反応の良さを見せた。38分には相手陣内で味方がボールを奪われたあと、すぐ身体を寄せてピンチの芽を摘んで金崎へクロスを放った。
 
 本来はスピードに乗った果敢なドリブルが武器のアタッカーだが、ハリルホジッチ監督の下ではこれまでウイング、トップ下、ボランチ、右SBと様々なポジションで起用されてきた。
 
 今回、指揮官はトップ下での先発も仄めかしていたが、蓋を開けてみれば、中盤の右サイドでの出場。しかし本人は次のように、ポジションへのこだわりについて語った。
 
「トップ下には非常にクオリティの高いふたり(香川、清武)がいるので、そこでサブになるよりも試合に出たい。どんなポジションでも自分の良さを出すことが大事」
 
 与えられたポジションで、効率的にチームのために働く。そんな個性を打ち消す作業は、日本代表で生き抜くための熱い想いの裏返しと言えるだろう。「点を取りたかった」という宿題は残ったものの、「手応えを掴めた」一戦になったのは間違いない。
 

取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)