日本のお茶はうまい。ありがたいことに、その「うまい」という評判は世界各地に広がっているようである。しかし、日本のお茶だけがうまいわけではない。中国のお茶だって、日本のお茶とは違った「うまさ」がある。問題は、それをどう伝えるのかだ。

 中国・重慶市の地方紙、重慶日報は19日、「日本のお茶どころは、どのように茶の文化を宣伝しているのか」と題し、静岡などの日本国内の茶葉生産地域が外国向けに取り組んでいるPRの手法について紹介する記事を掲載した。

 記事はまず、2月下旬に行われた東京マラソンにおいて、日本の専門家が外国選手に対して茶芸のデモンストレーションを行い、お茶文化の魅力を伝えたと紹介。また、昨年10月には、茶葉関連企業が東京・銀座で茶道体験のできる「銀座茶禅」を開設、銀座に多く集う外国人観光客に対して「本場のお茶」が味わえる場所を提供することで日本のお茶文化の普及を図った紹介した。

 さらに、日本のお茶文化を世界に広めた「功臣」の1つとして抹茶を紹介。空港の土産物屋では茶器が外国人観光客の人気を集めているとも伝えている。

 紙面ではお茶に関する特集が組まれており、この記事もその一部として掲載された。同じ紙面には、中国の緑茶ブランド産地・龍井茶で有名な浙江省杭州市が、低温により茶葉の生育に影響が出た場合に生産者に支払われる「茶葉保険」を試験的に実施するという話題が掲載されている。さすが「お茶どころ」といったユニークな試みだが、「保険」の存在は生産者がより質の高い茶葉を生産するためのモチベーションになるのではないだろうか。

 それはさておき、中国の文化を国外に広めようとする時、往々にして大げだったり、「いかに素晴らしいか」をアピールし過ぎだったりするように思える。時としてそれが、相手に「押しつけがましさ」を感じさせるのだ。以前、中国で仲よくなったお茶屋さんに、いろいろなお茶を試飲させてもらい、おいしいお茶のいれかたまでレクチャーしてもらった。中国のお茶はおいしいし、茶芸だって奥が深くて十分面白いのだから、大げさにする必要はないのだ。「5000年の歴史を持つ偉大なる中華文化の発揚」などと張り切り過ぎず、シンプルにかつスマートにPRすればいいのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)