練習前のリラックスしたボール回しでわざと大げさなキックを見せる宇佐美を眺め、ハリルホジッチ監督が笑顔を見せる場面も。「前の国内合宿でも、タイマンで話したりもしました」(宇佐美)と、両者は良好な関係を築いている。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 昨年3月のチュニジア戦が初陣となったハリルジャパンは、その後、親善試合やロシア・ワールドカップ・アジア2次予選、東アジアカップを含め、計13試合を戦っている。
 
 そのすべての試合に唯一、出場しているのが、宇佐美貴史だ。
 
 指揮官の期待度の高さは、先日の代表メンバー発表時のコメントからもよく分かる。
 
「本当に能力がある選手。たくさんのことにトライして向上しています。しっかり努力をしているので、私は彼を我慢して使っています。日本には彼のようなタレントを持った選手は稀です。我慢して、励ましながらやっていかなければなりません」
 
 一選手をここまで高く評価し、それを公言するというのは過去の代表監督を見ても異例のことだろう。それだけ、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は宇佐美という才能にほれ込んでいるのだ。
 
 ハリルホジッチ監督の大きな期待を、23歳のアタッカーはどう受け止めているのか。
 
「そういうなかで結果を出して、(監督が)“我慢しなくなる”ようにしたいですし、“使わざるをえない”というか、“いやでも使わないと”みたいになるぐらいまでの結果なり、プレーのインパクトなり、成長度を見せたい。いろんな主張があるなか、直接コミュニケーションを取りに行くでもいいですし、それプラス、やっぱりプレーの主張が必要になると感じています」
 
 アフガニスタン戦では、疲労を考慮されて本田圭佑や香川真司といった攻撃の核であるコアメンバーがベンチスタートになると指揮官は明言。当然、宇佐美がスタメンに名を連ねる可能性はかなり高い。
 
「出番があれば、自分らしいプレーをしたい。自分の役割やチームのやり方が少し変わっても、どういう状況でも、しっかりと自分のプレーを表現できるようにしたい」
 
 所属クラブのG大阪では、セットプレーのキッカーとしても貢献している。代表でもその機会があれば、「良いキックができる自信、良いところに落とせる自信はあります。どんどん自分からチャレンジしていければいい」と頼もしいコメントが聞かれた。
 
 チームメイトとは、「バカバカしい絡みしかしていないんで」と笑う。もっとも、欧州組の岡崎慎司からは、レスターでの雰囲気や練習メニュー、どういった経験をしているのかなどを聞いて、刺激を受け受けているようだ。
 
 特別な才能を持つ宇佐美が、代表という舞台でさらなる進化を遂げようとしている。貪欲に成長を求めるその姿で、ハリルホジッチ監督の全幅の信頼に応えようとしているのだ。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)