中国共産党機関紙・人民日報系のニュースサイト「人民網」は22日、「日本の自衛隊員は腰が引けてきた」と主張する論説を掲載した。

 論拠としたのは、防衛大学校の2016年3月卒業生の419人中、自衛官への任官を辞退する人数が、15年の約2倍の47人に達したことだ。任官辞退者は1992年以来の人数という。

 論説は、任官辞退者の増加には、(1)雇用情勢が改善したため民間企業に就職する卒業生が増えた、(2)3月29日の新安保法の施行で自衛隊員の身の安全にリスクが高まった――という2つの原因があると主張。

 日本における防衛大学校学生の身分については、国家公務員であり「入学金も4年間の学費も免除。在学中は手当を受け取ることができ、卒業後に任官を辞退しても返済しなくてよい」、「卒業して任官すればは20-30万円の月給を受け取る。世間的な対面を保てる額だ」など、好待遇と紹介した。

 日本での最近における自衛隊員の評価としては「2011年の東日本大震災で、自衛隊員が救助・救援に当たる姿は社会の称賛を集めた。その結果、自衛隊員は女性の結婚相手としても、人気を高めた」と評した。

 論説はその上で、2015年に新安保法が国会で“強行採決”されたことで、「集団自衛権の解禁。海外における行動の自由の拡大」したと紹介。それ以前には、日本国土が直接の武力攻撃を受けた際にのみ自衛権を発動することになっていたが、「新安保法により、日本が直接の攻撃を受けなくとも、“脅威を感じる”だけで他国に武力を行使することが可能になった」と主張した。
 また、2015年度の防衛大学校の入学者募集でも、下士官候補生では前年比で2割ほど減少、ピーク時の2007年の半数程度になったと指摘。防衛大学校を卒業した学生の母親が「自衛隊員の身の安全の保障について、もっと説明してほしい」など、防衛大学校学生の家族にも不安が広がっていると主張。インターネットでも「だれだって、他国のために死ぬのはいやだろう」との書き込みが見られると論じた。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)akiyoko/123RF.COM)