中国の経済系メディア・金融界は19日、「日本の第4次産業革命を軽視してはならない」とする評論記事を掲載した。記事では、ドイツが提唱する「インダストリー4.0」とは異なるアプローチによる「第4次産業革命」が日本で進んでいることに注視する必要性について論じられている。(イメージ写真提供:123RF) 

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 中国の経済系メディア・金融界は19日、「日本の第4次産業革命を軽視してはならない」とする評論記事を掲載した。記事では、ドイツが提唱する「インダストリー4.0」とは異なるアプローチによる「第4次産業革命」が日本で進んでいることに注視する必要性について論じられている。

 記事は、2013年にドイツが物流ネットワークと製造業のスマート化を主軸とする新たな産業革命の概念として「インダストリー4.0」を発表したと説明。これに対して「思いもよらないかもしれないが、日本では10年に第4次産業革命の概念が提唱されていたのだ」とし、日本のインターネット業界のリーダー的人物である藤原洋氏が同年著した書籍『第4の産業革命』について紹介した。

 そして、日本版の「第4次産業革命」の目的は世界の持続的可能な発展にあり、ドイツの「インダストリー4.0」をも包含するものであると解説。「エネルギーの地産地消」をテーマとした電力ネットワークのスマート化が目的とされ、太陽エネルギー、高温超電導直流送電システム、電気自動車の三大技術を柱とする日本の環境エネルギー産業を国際的な競争力のある基盤産業に成長させることが盛り込まれているとした。また、日本ではすでに「エネルギーの地産地消モデル構築」という目標に向けた実証実験が始まっていると説明している。

 そのうえで、中国版「インダストリー4.0」と位置付けられる「中国製造2025」戦略が事実上「東西2つの『インダストリー4.0』に挟撃、包囲されている状況」であると解説。中国は世界の製造業に存在する4つの集団のなかで第3集団に属しており、「製造強国」となるには少なくともあと30年は努力する必要があるとしたうえで、「中国製造2025」が「イノベーションを動力とし、品質優先でクリーンな、良好な構造を持ち人材を資本とする基本方針」を維持するためには2つの「インダストリー4.0」を十分に認識し、日本で起きつつある「太陽エネルギー経済」を軽視してはならないのであると論じた。

 記事で紹介されたものは、ドイツの「インダストリー4.0」ように日本政府が「第4次産業革命」として発表、提唱したものではない。しかし、試行錯誤の状態ながらも日本の各地で「エネルギーの地産地消」の動きが進んでいることは事実だ。原子力の是非を巡る議論は絶えないが、バランスの取れた電力エネルギー源構成という路線が大きく変わることはないだろう。

 再生可能エネルギーは、過度の石炭依存からの脱却を図り、環境の改善を目指す中国にとっても大きな意味を持つ産業分野だ。中国メディアにおいても日本の取り組みを紹介したり、日本との「差」について論じたりするケースもしばしば見られる。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)