北九州というと、かつて炭坑や製鉄で賑わった街、あるいは何かと物騒な街というイメージがあるかもしれない。しかし、環境に優しい街づくりに向けた試みを盛んに進めているという先進的な側面も持っているのである。中国メディア・中国新聞網は22日、「日本の環境保護のお手本」として北九州市の取り組みを紹介する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF) 

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 北九州というと、かつて炭坑や製鉄で賑わった街、あるいは何かと物騒な街というイメージがあるかもしれない。しかし、環境に優しい街づくりに向けた試みを盛んに進めているという先進的な側面も持っているのである。中国メディア・中国新聞網は22日、「日本の環境保護のお手本」として北九州市の取り組みを紹介する記事を掲載した。

 記事は、1901年に日本最初の溶鋼高炉が誕生して製鉄業が発展、日本の4大工業地帯の1つとなった北九州地区では、戦後の高度経済成長期に深刻な大気や海、河川の汚染が発生、多くのぜんそく患者を出すなど「公害密集地帯」の1つとなったことを紹介。70年代より「婦人会」をはじめとする市民、企業、政府の三者による相互理解と協調によって公害対策を定めて努力してきたと伝えた。

 そして、現在では美しい空気や水を取り戻すに至ったものの、なおも環境問題へのアクションは継続しており、特に注目すべきは各分野における「一歩進んだ」実証プロジェクトが進んでいることであるとした。1つ目に挙げたのは、東田地区で進む「水素の街」プロジェクト。工場で生産した水素を家庭や商業、公共の各施設で日常のエネルギーとして利用する試みで、すでに実証は「コストダウン」という新たな段階に入っていると説明した。

 次に挙げたのは、現地に拠点を置く企業が進める、養殖した藻から日常エネルギーを獲得する実証プロジェクト。今年より規模を拡大したうえでの技術検証の段階に入っており、2020年の東京五輪を契機に実用化試験に移る構想であるとした。

 記事は、同市内では太陽、風力、地熱など様々なエネルギーの実用化、実験プロジェクトが行われているのを目にすることができ、「すでに産業規模のバイオ工業パークが形成されている」と評している。また、同市の取り組みが「都市の産業発展、経済効果と環境保護が共存できることの証明」であるとする、北橋健治市長の話も併せて紹介した。

 偏西風の影響により、中国大陸で発生した高濃度の汚染物質は東側にある日本に向けて拡散してくる。とくに大陸に近い九州北部地域はより大きな影響を受けやすい地域と言え、近くの山が霞んで見えることも珍しくない。深刻な公害を経験した北九州は、自らの環境を守るという意味でも中国の汚染対策に積極的に協力をしていくべきであろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)