中国メディアの新京報によると、河北省定州市で22日午前8時ごろ、30人余りが警察の派出所(小規模警察署、解説参照)を襲撃した。マルチ商法の販売員が、警察が保護した女性メンバーを奪還しようとしたという。(写真は新京報の23日付報道の画面キャプチャー)

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 中国メディアの新京報によると、河北省定州市で22日午前8時ごろ、30人余りが警察の派出所(小規模警察署、解説参照)を襲撃した。マルチ商法の販売員が、警察が保護した女性メンバーを奪還しようとしたという。

 マルチ商法は「マルチ・レベル・マーケティング(MLM)」の別称だ。正式には連鎖販売取引と呼ばれ、企業が販売する商品を、ピラミッド状に構成された販売員(ディストリビューター)が上から下へ、最後には販売員以外の一般消費者に販売する。日本ではMLMが認められているが、法律上の厳しい規制がある。中国では禁止されている。

 中国のマルチ商法団体で、特に問題とされるのが、事実上の「洗脳」を行う場合が多いことだ。これまでに、「販売のための精神力を鍛える」などとして、集会の場で女性販売員に全裸にならせたなどの例も伝えられている。

 22日に警察を襲ったもマルチ商法の販売員とされている。同日早朝に、遼寧省からやってきた夫婦が定州市公安局城南派出所を訪れて、娘がだまされてマルチ商法の組織に加入してしまったという。

 娘のいる場所は分かったので、警察はただちに現場を訪れ、若い女性を保護しした。ところが、女性は完全に洗脳されており、両親と共に戻ることを拒絶した。警察は女性をしばらく派出所にとどめることにした。すると、約1時間後に、販売員約30人に襲撃されたという。

 残された映像では、販売員側は棒のような武器類を持っており、女性の奪還を阻止しようとした警察官を殴った。派出所襲撃の連絡を受けた市公安局(市警察)は応援を派遣し、販売員を制圧した。うち何人かの身柄を拘束したという。

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◆解説◆
 中国の都市部の派出所では多くの場合、10人以上の警察官が勤務している。日本の「交番」よりは規模が大きく、やや小さな警察署程度の規模と考えてよい。(編集担当:如月隼人)(写真は新京報の23日付報道の画面キャプチャー)