これまで20年あまりにわたって日本で活用されてきた外国人技能実習制度だが、最低賃金法を遵守しない受け入れ先企業が存在するなどの問題が指摘されてきた。中国メディアの人民網はこのほど、こうした問題点は現在も解決されておらず、技能実習生離れを招く要因となっていると説明している。(イメージ写真提供:123RF)

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 これまで20年あまりにわたって日本で活用されてきた外国人技能実習制度だが、最低賃金法を遵守しない受け入れ先企業が存在するなどの問題が指摘されてきた。中国メディアの人民網はこのほど、こうした問題点は現在も解決されておらず、技能実習生離れを招く要因となっていると説明している。

 記事は外国人技能実習制度における日本の目的について、少子高齢化問題による労働力不足を補うとともに、日本の先進技術を海外に広めることにあると説明。逆に外国人技能実習生は交換レートを活かして効率よくお金を稼ぐことができ、また学んだ技術を自国に持ち帰って活用することもできる。

 このように本来であれば双方が利益を得ることができる制度だが、現実はそうではないと主張。08年は日本に15万1094人の中国人技能実習生がいたが、14年は10万5382人にまで減少。6年で5万人近くも減少していると記事は指摘、中国人は日本の外国人技能実習制度に対して魅力を感じなくなっていると説明した。

 その原因は中国人技能実習生をめぐる「楽観視できない仕事環境」にあると記事は主張、岐阜労働力による15年の調査として、83の企業のうち77の企業が賃金未払いや長時間労働等の違反を犯していたことが明らかになったと論じた。

 また記事は日本の縫製工場で働くある中国人技能実習生の経験を紹介、この実習生は休日がないことに大きな不満を持っていたとし、しかも毎月の給料は12万円で「日本の給料は上海の水準と同じ」であったと論じた。日々の苦労を耐えながら異国である日本で働く意味はまったくないということのようだ。技能実習生には労働関係法令が適用されるため、最低賃金法に定める最低賃金以上の額を実習生に支払わなければならない。休日なしで働いて12万円という給料は最低賃金法違反と考えられる。

 記事はほかにも、最低賃金法の違反や時間外労働に対して割増賃金を支払っていない事例を挙げているが、こうした劣悪な仕事環境は実習生の数の減少やまた実習先企業からの失踪という事態を招いていると指摘。失踪とは賃金待遇の良い企業で不法就労することを意味するが、15年に失踪した中国人技能実習生は3116人に達したと記事は紹介している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)