ウォーミングアップのメニューを、そつなくこなし、特にコンディションに問題はなさそうだったが……。川島のアフガニスタン戦での出場はなさそうだ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 川島永嗣が約9か月ぶりに日本代表に招集された。2015年6月にベルギーのスタンダールを退団後、移籍先が見つからず無所属の状態が続いたが、同年11月3日からスコットランドのダンディー・ユナイテッドに移籍が決まり、即レギュラーとしてプレー。そして、この3月シリーズで、無所属の間も常にコンタクトをとっていたというハリルホジッチ監督に呼び戻された。

 しかし、ハリルホジッチ監督はアフガニスタン戦の前日会見で、「永嗣はここでプレーするために来たのではありません。我々とディスカッションをするため、また治療、軽いトレーニングをするためです。1試合目(アフガニスタン戦)の23人のなかに入れることは考えていません」と筋肉系の負傷を重く見て、川島のメンバー外として扱うことを明言した。
 
「自分の感覚では、来る前にも試合に出てますし、問題はないです。選手としてやっぱりやりたい気持ちはもちろんあります。それは怪我だろうがなんだろうが、ピッチに立ちたいし、チームのためになにかやりたいというのは常に変わらない。ただ、監督が筋肉系の怪我に関して、あまりリスクをとるなと言っているので、そこは監督の方針に従うしかない」
 
 本人は苦笑いを浮かべながら語った。筋肉系の負傷を抱えているとはいえ、直近のリーグ戦にはフル出場。特にプレーすることに関して問題はないようで、監督との感覚のズレを感じているようだ。

 ハリルホジッチ監督が「ここ数年日本代表に関わってきて、経験もありますし、仲間にアドバイスをしてほしい。グループでそういう存在感を出してほしい。そのために彼はここにいます」と、二度のワールドカップに出場したベテランGKに先導役を要求。川島は「僕自身も、経験のある他の選手が『引っ張っていくんだ』という強い気持ちを持ってやっていけたら」と、その役を担うことの重要性を感じている。

 それでも、「しばらく離れてた分、いろんな想いがありますけど、やっぱりピッチに入ってしまえばやることは変わらない。なにを感じて、逆になにを得てきたのかをもう一回示すことが大切だと思う。やはりプレーヤーとして、もう一度なにができるのかを、この日本代表という場所でも、自分自身も考えてやっていきたい」

 現状の立ち位置は、GKの“最底辺”。しかし、選手として、再び正守護神の座を取り返すため、そして自身の価値を再び証明するために――川島が試練のリスタートを切った。

取材・文:多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)