ドイツ与党CDU・CSUのカウダー連邦議会院内総務が東京で会見。ロシアによるウクライナ地域占領を非難した上で、安倍首相は露大統領と会談する際、「ウクライナにおける武力侵略は受け入れられない」と苦言すべきだと語った。

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来日中のドイツ与党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)のフォルカー・カウダー連邦議会院内総務は、日本記者クラブで会見した。ロシアによるウクライナ一部地域占領は受け入れるわけにいかず、結束して対応していかなければならない、と指摘。安倍首相が5月にもロシアを訪問し、プーチン大統領と会談する際、「武力によって国境を変更するようなことがあってはならない。ロシアのウクライナ侵略は受け入れるわけにいかない」とはっきり伝えるべきだ、と強調した。

シリア紛争などから逃れEU諸国に流入した難民は2015年だけで100万人を突破、第2次世界大戦以降最大の「難民危機」に直面している。EUのリーダー格であるドイツの取り組みが世界中の耳目を集めている。カウダー氏はメルケル首相の右腕と称され、ドイツ連邦議会の連立与党間調整を一任されている。同氏の発言要旨は次の通り。

戦争や内紛が起きている地域から多数の人々がドイツに逃れてきた。これらの人々に対する生活物資の供給や登録、保護などは、ドイツの大問題になっている。難民危機は1国が単独で解決できず、国際社会が一丸となって取り組むべき大問題である。

28の欧州連合(EU)加盟国のすべてがトルコと難民問題への対策で合意したのは重要である。トルコからギリシャへ渡る不法移民や難民をトルコへ送り返すことで合意した。EUは見返りとして、資金援助やEUに渡航するトルコ国民へのビザ免除措置の前倒し検討などを約束した。

難民問題で、右派にシフトした(ドイツの)有権者たちも、次第に中道に戻ってきている。社会に現実にある問題についてきちんと対応して行こうということだ。メルケル首相の実績は、難民問題でも確信する理念を掲げて行けば達成できることを証明している。

(安倍首相が5月にもロシアを訪問し、プーチン大統領と会談することについて)自信を持って(ウクライナ侵攻批判などを)はっきりと語ることだ。対話は相手の言うことをのむということではない。日本はロシアや中国とも国境紛争を抱えている。武力によって国境を変更するようなことがあってはならない。ロシアによるウクライナにおける侵略は受け入れるわけにいかず、結束して対応していかなければならない。受け入れれば、いかなるメッセージが中国などに発せられるかを考慮して、きちんと対応しなければならない。

もちろんロシアと対話も行っていかなければならず、メルケル首相も対話もしている。シリア問題においても、解決策を見い出していかなければならないが、ただロシアに歩み寄ることだけでは共通の解決策を見い出せない。ロシアに屈してはならない。

(「ドイツは中国と蜜月関係」とされることについて)貿易を重視しているドイツは、米国はじめ他の主要国と同様、経済大国の中国と友好関係を築かなければならない。大気汚染問題が深刻な中国とは環境協力も推進している。(八牧浩行)