トップ下や右ウイングでは好調をキープする原口の起用もあるか。システムは往来の4-3-3と予想したが、4-4-2あるいは4-1-3-2の可能性も。

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 ロシア・ワールドカップ・アジア2次予選のラスト2試合で、日本は3月24日にアフガニスタン、同29日にシリアと対戦する。
 
 シリアとはおそらく、無条件で最終予選に進出できるグループ1位の座を賭けて戦うことになるだろう。“首位決戦”に弾みをつけるためにも、格下と目されるアフガニスタン戦を取りこぼすわけにはいかない。
 
 前日会見でヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、改めて、メンバー発表時に口にしていたノルマを強調した。
 
「今回の2試合の目的は勝利。失点をせず、たくさん点を取ることだ」
 
 アウェーで戦った前回の対戦ではアフガニスタンに6-0、シリアには3-0と完勝を収めている。今回も圧倒的な実力差を示したうえで、勝点6を上積みして最終予選進出を決める――指揮官の言葉からはそんな強い意志が感じられた。
 
 結果だけでなく内容も求めるハリルホジッチ監督はまた、今回の3月シリーズで「異なるオーガナイズにトライしたい。それが上手くいくかどうかは少し様子を見てみたい」とも語っている。
 
 このオーガナイズとはシステムなのか、選手起用なのか、戦い方なのか、なにを指しているのかは実際に試合を迎えてみないと分からない。宇佐美貴史に聞けば、「明日、見てもらえれば」と明言を避け、「チーム全体として、出る選手(の役割)は少し変わると思います」とのことだ。
 
 いずれにせよ、アフガニスタン戦で先発に名を連ねるのは、現時点でのベストメンバーではないということだ。
 
 ハリルホジッチ監督はこの試合に向け、本田圭佑、香川真司、川島永嗣に関して、報道陣からの「先発で90分、プレーできそうか?」との質問に、はっきりと「ノン」と答えている。彼ら3人はそれぞれの所属クラブでの活動の影響で、1日遅れでチームに合流しており、「疲労を考慮しなければならないし、リスクは取らない。控えにしたいと考えている」(ハリルホジッチ監督)と明言している。
 
 ただ、川島については少々、事情が違うようで、「プレーするためにここに来たわけではない。トレーニングはできるが、まだ少し痛みを感じている」(ハリルホジッチ監督)との判断で、よほどのことがない限り、今回はピッチに立つことはない。
 
 では、アフガニスタン戦のスタメン11人の顔ぶれはどうなるのか。
 
 繰り返しになるが、ハリルホジッチ監督は「無失点を続けたい」と要望している。アフガニスタンを相手に劣勢を強いられる時間帯はそれほど長くはならないだろうが、それでもリスクを極端に嫌う指揮官である。4バックは“ガチ”な面子を揃えるはずだ。
 
 とりわけ、欧州組の吉田麻也については、指揮官自ら合宿初日にチームに合流できるようリクエストを出したという。吉田もそれに応える形で、20日のリーグ戦を終えた後、翌日のトレーニングでは元気な姿を見せていた。無論、24日のアフガニスタン戦での起用を見越してのことだろう。
 
 GKは東口順昭と予想。「クラブで良いプレーをしているので、チャンスを与えたいと思っています」とハリルホジッチ監督はこの2連戦での起用を示唆している。“チャンス”という言葉を考慮すれば、シビアなシリア戦より、アフガニスタン戦で使われる可能性のほうが高いだろう。
 
 2ボランチは、相手は守りを固めてくると予想され、より攻撃的な組合せになるはず。となれば、ボランチ候補の中で最も攻撃センスに優れる柏木陽介は外さないだろう。コンビを組むのは、久々の公式戦でチームとして手堅くいくなら、キャプテンの長谷部誠も必要なはずだ。
 
 最大の焦点は、トップ下を含めた前線の4人である。先述したとおり、本田、香川の先発はない。この試合をテストと割り切るならば、現体制下では初招集のハーフナー・マイクや、ほぼ“新顔”に近い小林悠という選択肢はある。しかし、ハリルホジッチ監督は「呼んですぐにプレーさせることは、私はあまりやりません」とも語っており、スタメンに名を連ねるとは考えにくい。
 
 予想では岡崎慎司のCF、右ウイングに金崎夢生、左ウイングに宇佐美貴史、トップ下には清武弘嗣としたが、4-4-2、4-1-3-2など、従来の4-3-3からシステム自体が変更してもおかしくはないだろう。試合途中から高さのあるハーフナーを投入して、パワープレーというオプションを試すかもしれない。
 
 間違いないのは、このアフガニスタン戦はこれまでのハリルジャパンとは異なる姿がお披露目される公算が高いということだ。
 
 この変化について、宇佐美は「意外と言われれば、意外」とその印象を語っている。
 
 勝利は大前提として、戦術的な引き出しを増やそうとするチームで「11人がどのように化学反応を起こすのか」とハリルホジッチ監督自身も大きな期待を寄せている。
 
 2016年の最初の公式戦で、2年目を迎えたハリルホジッチ体制はどんな“姿”を見せてくれるのだろうか。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)