アルト・ワークスとアルト・ターボRSのエンジン主要諸元を見ると、同じ改良型R06A型ターボで、VVT(可変バルブタイミング機構)が吸気側に装備され、圧縮比は9.1と同一。最高出力は自主規制値いっぱいの64ps/6000rpm、最大トルクはターボRSの98Nm/3000rpmから100Nm/3000rpmと2Nm(0.2kg-m)引き上げられています。

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最大トルクの増強は、冷却性能の向上が寄与しているそうで、冷却水制御温度を88℃から82℃に下げることで燃焼室温度の低減を図り、充填効率向上とノッキングを回避しているそうです。

なお、フロントバンパーの右側に、ワークス専用の外気口が追加されていますが、エンジンルームに外気を入れることで冷却効果を向上させるもの。

また、走りの印象を変える要素として、加速時のレスポンスディレイ(応答遅れ)をターボRSから10%短縮し、素早い加速フィールを得ているそう。

2Nmの最大トルクアップと、アクセルレスポンスの10%向上というのは、ターボRSと乗り比べができれば良かったのですが、MTとAGSという違いもあり、乗り比べしたところでどれだけ差が分かったか怪しいところ。

少なくともターボRSと同様に、670kgという超軽量ボディを加速させるにはシーンを問わず、また速度域を問わずどこでもグイグイと速度を乗せていくという、軽さの利点を存分に思い知らされたことです。

最も得意とするワインディングはもちろん、高速道路でも流れをリードするのはたやすく(音・振動はかなりど派手なことになりますが)、おそらく速度リミッターから先もまだまだ加速が続いていきそうな気配も。

アルト・ワークスに乗った後日、高速道路を含めてホンダS660に久しぶりに乗る機会がありました。

確かに、S660の軽自動車の領域を超えたような動的質感の高さは魅力ですが、駆動方式や最大トルクの差、ドアの枚数やシートの数などその成り立ちを度外視しても、S660の830kgと、アルト・ワークスの670kgの差は明らか。

速度リミッター前後で延々とクルージングする人は少ないでしょうが、痛快な加速感を味わうなら同じ64ps/6000rpmでもアルト・ワークスの方が上でしょう。

(文/写真 塚田勝弘)

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