アフガ二スタン戦で先発の可能性も。清武はトップ下でハイパフォーマンスを披露できるか。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 同じ89年生まれだが、代表キャップでは香川に倍以上の差をつけられている。香川の77試合・23得点に対し、清武のそれは33試合・1得点。ゴール数でも遠く及ばない。実際、清武は前任者アギーレの下でも香川のバックアッパーという位置付けだった。

 シャルケ在籍の内田に言わせれば、「本当に上手いです。トップ下をやらせたら一流ですよ」という清武は確かにハノーファーで異彩を放つ。

 右足骨折から復帰して2月21日のアウクスブルク戦に途中出場すると、続く23節のシュツットガルト戦ではセットプレーから2アシスト。0-4で敗れた24節のヴォルフスブルク戦でも中盤でボールを引き出してチャンスを演出するなど、違いを見せつけた。

 「ボールを失わない」と酒井宏が話すように、清武のボールテクニックはまさに一級品だ。「グラウンダーのパスでスピーディな攻撃をしたい」と言うハリルホジッチ監督の下で、彼の技術は大きな武器になるだろう。

 それでも、現時点で「香川>清武」の序列は揺るがない。

 清武がいくらハノーファーで活躍しても、「所詮はブンデスリーガで最下位のハノーファーではないか」とのエクスキューズが付く。ドルトムントの香川とは単純に比べられない──。それは、当の清武も理解している。

「ドルトムントとハノーファーではレベルの差がある。(香川が)ドルトムントで競っている相手は一流の選手ばかりですから、ハノーファーの選手と比べると……、という差はある。僕がスタメンで出てて、ドルトムントでは熾烈な争いがあって、そこは比べるところではない。その凄い競争を僕も経験してみたいですけどね」

 代表でも、香川とポジションを争っているつもりはない。

「(香川)真司くんのことは常にリスペクトしています。特に争っているつもりはない。この2試合は大事。チームとして結果が大事。2年目を迎えたハリルホジッチ監督の下で、もっと高いレベルでプレーしないといけない。パーフェクトを目指し、プレーしないといけない」

 そんな清武がなによりこだわっていたのは、なにより「トップ下でどうプレーするか」だった。
 
 清武は言う。

「トップ下というポジションは難しい。クラブと代表では同じトップ下でも役割が違う。(ハノーファーでは)自分が下がってリズムを作っています。でも、代表ではボールを持てる選手がたくさんいるので、自分が下がってボールを受けてもアクションが起こらない。

 トップ下のポジションはどこの角度からも見られている。結構、シビアなポジションだと思うので、そのぶん、やりがいもある」

 ハリルホジッチ監督から「前のほうに残ってほしい」とも言われた清武が、システムに関係なく、目指すのはゴールだ。

「FWの近くでプレーしたい。そうすれば、ゴールも近づく。そういうやり方で、結果を求めていきたい。(システムについては)ひとつじゃなくて、ふたつ、3つバリエーションがあれば、相手は戸惑うと思う。それらは試して、自分たちのものにしていければいい。

仮に2トップをやったら? 前がふたりになればターゲットにが増えるので、自分のところにボールがこぼれやすい。そうなると、サポートしやすいですよね。やりやすさはありますが、とにかく明日の試合ではゴールをたくさん取りたい」

 今回の2連戦に向けて清武のモチベーションを高めたのは、久しぶりに代表復帰したGKの川島だった。

「(川島)永嗣さんが帰ってきて、今日話す機会があった。そこで言われたのが、目の前の試合を1試合1試合全力でやることが大事だと言うこと。いろいろ考えても、結局良いプレーができない。後々のことを考えたら、僕はまだ全然だめだと思う。『目の前のことに集中して、やることがなにより大切』。そういう言葉を永嗣さんから聞けて、改めて気付かされた。競争も必要だけど、どれだけ集中して臨めるかが大事です」

 清武のスタンスに競争という概念がないわけではない。サッカー選手である以上、「レギュラーで出たい気持ちは常に持っている」。香川を意識してレギュラーを奪取するのではなく、目の前の試合で納得の行くパフォーマンスを見せる。その積み重ねが結果としてレギュラーに結び付く。トップ下として先発する可能性があるアフガニスタン戦で、清武はまずどんな答えを出すのか、期待したい。

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)