アメリカでは老後資金の理想金額と現実とのギャップが広がり、大きな議論を呼んでいます。日本でも50代以降を中心に考えられている老後の生活設計。アメリカとの類似点はたくさんありそうです。

老後資金の理想と現実

「アメリカ人の老後資金の貯蓄状況」について、先週、Glamour誌が取り上げ、理想の老後資金と実際の貯蓄額には、非常に大きなギャップが生じていると報じました。

日本でも「老後の生活設計」は昨年6月に行われた、内閣府による世論調査でも国民が抱える悩みと不安のトップにランクイン。

特に、50〜60代の男性に多いというデータが出ています。

日本人にも馴染みの深いこの問題は、アメリカではどのように考えられているのでしょうか。

老後の生活に関する研究を行っているTransamerica Centerの調べによると、例えばあなたが55歳の男性であった場合、リタイア後の生活のための理想の貯蓄額は37万8千ドル(=約4,200万円)。

対して、50代の実際の貯蓄額はその3分の1にも満たない、11万7千ドル(=約1,300万円)という結果が出ています。

同時に、先月Go Banking Rateによって発表されたデータによると、アメリカ人の3人に1人は老後資金がまったくない状態にあり、人口の56%が1万ドルさえも持っていないとされています。

特に女性の場合は男性よりも状況が悪く、男性の52%に対して、63%の女性が、1万ドルの老後資金さえも手元にない状態にあるとのこと。

これはホームレスの増加にも繋がっており、1990年代前半にはホームレス人口に占める50歳以上の割合は11%であったのに対し、今では50%以上にまで上昇しているのだそうです。

ちなみに、昨年10月に同機関が行った「あなたの貯蓄額はいくらですか?」という調査に対して、「そもそも預金口座を持っていない(21%)」、「預金ゼロ(28%)」、「最低金額のみ(9%)」、「1000ドル以下(13%)」、「1000ドル〜4999ドル(10%)」、「5000〜9999ドル(5%)」、「1万ドル以上(14%)」という回答が出ています。

老後を気にする以前に、今の生活さえもギリギリという人の多さが伺えます。

老後に破産しないためには?

米CNBC誌は老後に破産しないためのアドバイスとして、「過去30年で物価が2倍上昇したことを考えると、今後のインフレーションも見据えて貯蓄をしていくべき」、「株式投資を継続的に行う」、「給付金の受け取り年齢を70歳まで遅らせることで、月あたりの受取額を増やすことができる」などを挙げています。

アメリカで広がる老後資金への不安と対策への議論は、日本にも重なる部分が多いのではないでしょうか。

一方で、老後への不安を起点に貯蓄するのではなく、旅行へ行くためなどのポジティブな目的を持って日頃からお金をためていく努力をすることも大事だという意見もあります。

年金問題など、ただでさえ不確定な要素の多い今の時代だからこそ、老後に良い生活を送ることばかりに気を取られて、今の時間を充実させるという視点を忘れないようにすることも、今の私たちには必要なのかもしれません。

image by: Shutterstock

source by Glamour/ The Motlay Fool/ Forbes/ GO Banking Rates/ CNBC/ Rawstory

文/長塚香織

出典元:まぐまぐニュース!